ノナ

ぜんぶ、ボクのせいのノナのネタバレレビュー・内容・結末

ぜんぶ、ボクのせい(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

うさぎが死んだ時、スタッフが優太に悲しくないの?って聞いたことへの違和感があったのと同時に、言ってくれなきゃ何を考えているのか分からないよと言ったことへの共感と、自分に対する無力感を重ねた。優太はうさぎの絵をたくさん描いていたし、お葬式の時も、みんなと離れてはいたけど、ちゃんと優太なりに参列していたんだと思う。でも、その時の優太の心情が分からなかったから、スタッフはそういう風に声を掛けた。このスタッフは何も分かっていないと最初思ったけど、続けて、話してくれなきゃ分からないよとスタッフは優太に伝えていた。それを聞いて、自分も同じじゃないかと思った。普段の私は患者さんとか親しい人の心を分かってあげたいし、あげられるってどこかで過信していたけど、それはこの映画に出てきたスタッフも同じようなものなんだと思う。私も側から見ればこのスタッフと同じで何も分かっていない。理解してあげたいという想いは本当に持っているけど、どんなにそう思っていても、その人と同じものを持っている人、同じ経験がある人(ホームレスや女の子のように)でなければ同じ世界にはいられない。理解してほしいとその人がどんなに思っていたとしてもそれは難しい。お互い、理解したいし、理解してほしい、求め合っているはずなのに、それがとてつもなく難しいというところに人間の孤独が見えてくる。
お母さんの彼氏は、確かに子供の目の前でするのは良くないけど、もしかしたらお母さんのことをちゃんと好きで、優太もいる3人での未来をほんの一瞬だけど考えてくれたような気もする。
お母さんには全く共感できない。本当にがっかりだ。と思うけど、お母さんの過去は何も分からないから、そう言い切ってもいけないのかな。
ノナ

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