タイトルの意味など鑑賞後すぐは問いかけとして観客に委ねすぎと感じたが、時間を経るごとにさまざまな解釈が浮かんでくる
タバコなど小道具の使い方もうまい
この手の作品で経済的な限界を描くことはとても重要で、本作ではそれがきちんとされているからこそ生活感や実在感に繋がっていた
俳優たちも達者な方々が揃っていることでセリフひとつとっても深みが増していて一面的な解釈に落とし込まないバランスになっている
その中でも主人公の佇まいは素晴らしく、サラッとした髪と思いの外クリアな声質が底から滲み出るような純粋さを感じる
それでいてそこはかとなく感じる危うさがいい意味で緊張感があり画面に引き付けられる
重たい題材ながらユーモアが散りばめられているのにも好感が持てる
映画の作りが拙い部分はあるにはあるけど、タイトルの意味含め世の中への問いかけとして誠実に作られしっかり考える余地がある作品だった
この作品は誰かが悪いと断罪しない
絶望するしかない人生もあるかもしれない、それでも何かあり得た別の可能性を思い描くことで希望を見出せることも伝えたいのかなと思ったり
