じゃがじゃが

希望と絶望 その涙を誰も知らないのじゃがじゃがのレビュー・感想・評価

3.0
大人の言われた通りにやる。ある時は自分では納得がいっていないのに上手くできたと評価される。ある時はとても満足のいくパフォーマンスをしてもダメだったとこき下ろされる。
本来はアイドル=個性、才能であるはずなのに、いつの間にか大人の言われたこと、ファンから求められていることをするだけの没個性的な表現者が理想の日向坂像になってきていた。
グループ内でもそんな違和感を持っているメンバーがいて、佐々木久美、加藤史帆、そして、最も強く感じていたのは渡邉美穂だったように思う。
渡邉美穂は表現の塊だった。常に人を明るく前向きにすることを、ごく自然に無自覚で表現できる才能を持っていた。でもいつしか、そこに「誰かのために」という、ある意味人間として高尚な感情を持つようになってしまったせいで、表現に鎖をかけられ、本人の中でグループでの存在意義が薄まってしまったのかもしれない。
日向坂が永年愛されるグループになるためには、どこかのタイミングでメンバーは「自分のための」表現者に生まれ変わる必要があるように感じた。