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クリスタル殺人事件の福福吉吉のレビュー・感想・評価

クリスタル殺人事件(1980年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
1953年、イギリスの片田舎、セント・メアリ・ミードの村で映画撮影が行われ、盛大な交歓パーティーが開かれる。パーティには大女優のマリーナ・グレッグほか映画関係者が多く参加し、盛況だった。しかし、突然、村の女性のヘザーが倒れ、死亡してしまう。毒物によるものと判明し、推理好きのミス・マープルは甥で警部のダーモットとともに事件の謎を解こうとする。

◆感想◆
ストーリーは数多くの容疑者の中から犯人を突き止めるオーソドックスなミステリーとなっており、しっかり登場人物たちの個性が立っていて、理解しやすいものとなっています。

主人公のミス・マープル(アンジェラ・ランズベリー)は村に暮らす推理好きなおばさんで本来、部外者のはずですが甥のダーモットの立場を利用して事件の解決に動きます。本作では最初に足を怪我してマープルは行動できず、お手伝いのチェリーやダーモットの話だけで推理します。この2人と会話するだけなのになぜか面白かった。ミス・マープルの他の作品を観たことが無いのですが、私にはとても新鮮に感じました。

映画関係者の中では、大女優のマリーナ・グレッグ(エリザベス・テイラー)とその夫で監督のジェイソン・ラッド(ロック・ハドソン)、プロデューサーのマーティ(トニー・カーチス)とその妻の女優のローラ(キム・ノヴァク)の仲が険悪になっており、そのドラマに多くの時間が割かれていました。この女優2人の仲の悪さが醜くく描かれていて、2人の本性の部分が現れていて面白かったです。

ストーリーが経過するにつれて、登場人物たちの愛憎の関係が明らかになります。最後のマープルの推理で明らかになるのは意外性がありながらそれまでに提示されていた事実に基づいたものだったので、説得力があって面白かったです。

ミステリー作品としてストーリーや登場人物たちがしっかりしていてなかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2024年1月23日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
(録画日:2023年2月11日)
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