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ノック 終末の訪問者のmichikoのレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.5
うーん、これぞシャマラン作品!
賛否両論というか否が多いだろうなと簡単に予想出来る笑 しかし我々シャマラニストとしてはこれで良い。これぞシャマラン監督の集大成と言える。恐らく彼は世間からはどんでん返しのパイオニアであり、最後の5分間にとんでもない驚きを与えてスッキリさせてくれると思われているのでは無いだろうか?確かにそういった作品もあるが、彼が一貫して描いているのは人であり、そこに至る心情であり、その為の事象やオチが重要な訳ではない。

『サイン』ではUFOの襲来を通して信仰心を描いた。『ハプニング』では自殺衝動現象を通して誰にも訪れて持ち得る死生観を、『Old』では急激な老化現象を通して老いへの普遍的な恐れと為人の成長を描いていた。本作もまた、人間だからこそ持ち得る愛と犠牲を描く。そうまさに、終着点に至る心情の過程がドラマティックであり、人間味溢れる面白さがあるのである。

そして何といってもその奇想天外な世界観やシナリオにて全く先が読めない展開自体も最大の魅力である。繰り返すが、オチに期待してはいけない。どのような終着点になるか読めないワクワク感や過程を楽しむのである。そのワクワクが止まらない2時間を楽しんでほしい。オチには期待せずにね。
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