マグルの血

ノック 終末の訪問者のマグルの血のレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.0
急に押しかけてきた4人組に、「3人のうち誰か1人殺さないと人類滅びちゃうよ」って脅される話。


うーん。ハズレシャマランが散見されておりますが、確かにこれは微妙。私の好みシャマランでは無かったかなー。でも、私の中では酷評するほど悪シャマランでも無かったです。


優雅に森の中で休暇を過ごすエリックとアンドリューのゲイカップルとその娘ウェン。一家の元に不穏な武器を持った4人組が訪れる。その中の1人である異常に身体の大きな男レナードは「あなた達の選択次第で人類が滅びることになる」と告げる。誰か1人が死ぬことで世界の終末を回避できるとのこと。
まったく信じられない一家であり、要求を断ると突然4人の中の1人レドモンドを殺害。テレビをつけると突然の津波により大勢の人が被害を受けたとニュースが。
果たして世界の終末は本当なのか。極限状態の中で究極の選択を迫られる家族の運命は。


有識者であればかなり濃密で説得力のあるレビューが書けるのでしょう。どうやら「聖書」ベースの宗教的な話のようです。馴染み無い系。
突然の来訪者がまったく説得力のない要求してくるわけですから、めちゃめちゃ怖いし信じられません。私も信じませんね。
結構外界から遮断された環境なんですよね。電話線は切られ携帯の電波はなし。人里離れた森の中。頼みの情報網はテレビだけ。
この4人組もまたなかなか怪しくて「ビジョンを観た」とか「偶然集まった」とかわけわかんないこと言い出します。妄想癖の自殺サークルとしか思えない気持ちがわかる。

しかし、目の前で起こり続ける異常事態により謎に信憑性が増していくわけで、いやーなラストを迎えるわけなのですが、宗教観の違いなのかあんまり共感できなかったなというのが正直な気持ち。

2択も、弱いんですよね。私も家族は殺せないから一緒に滅びちゃうほう選んじゃうかな。人類の存続が掛かってるって言われてもピンとこないし、皆一緒にせーのでいなくなるならそれはそれでありかな。ビジョンを観た4人は災害で死ぬ人々の阿鼻叫喚が耳から離れないって言うけど、自分は受けてないしなー。
あんまりヒーローみを感じないから、その頑張りは無理かも。

まあこれは個人の意見なのでスコアとはまったく関係ないです。単純に「面白くなかった」のが感想。
どう面白くなかったかうまく言えないんですけど、シャマラン特有の強引な伏線回収も本作は悪いように作用してると思ったし、クライマックスに向けてのカタルシスもあんまり味わえなかった。ほんと申し訳ないけど単純に肌に合わなかっただけなんだと思います。


ただM·ナイト·シャマランという男の凄さを再確認できました。
本作やっぱりちゃんとシャマランの味出てるんですよね。シナリオに特徴があると思ってたんですけど、映像の感じとかちゃんと「オールド」や「サイン」、「ハプニング」なんか観たときの雰囲気
が出てるんです。これだけで固定のファンがつきそう。

あとは「シックス·センス」のお釣だけでこれほどのフォロワーを獲得しているのも凄い。どんだけ凄い映画なんですか。
「今回はハズレだよね~」なんて言いながら、シャマランが新作出すとちゃんとチェックする人が一定数いるってことに毎回驚きます。フィルマークス上のスコア全体的にあんまり良くないのに、凄いですね。

というわけで、シャマランフリークは要チェック、そうでない人は無理しないで作品でした。そこまでグロくないです。
ハリポタのロンが出てますが最初サイモン·ペッグだと思いました。「あんな髪あったっけな?」って思いました。

2024年 120本目
マグルの血

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