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K.G.F:CHAPTER 1のspitfireのレビュー・感想・評価

K.G.F:CHAPTER 1(2018年製作の映画)
4.4
金鉱が見つかったその日に生まれ出た、嵐の皇帝ロッキー。彼がスラムのガキから如何に頂点へ登り詰めたのかを描くヤクザ・サーガの前編。本国ではチャプター1→2上映まで4年かかりましたが日本では同時公開。私は勢い余って2つ続けて観てしまい、320分にわたって凄まじい映像を脳に流され続けることになりました。

陰影深めの撮影に[dramatic music playing]と表示されるであろう大仰な劇伴、キメッキメのショットに人間が乱れ飛ぶアクション。緩急なんぞ犬に食わせろとばかり、全編クライマックスのテンションで突っ走るアドレナリン過剰系ムービー。

ロッキーは詰まる所無敵の一匹狼でありアンチヒーロー。母親から託された命題を果たすため、この世の皇帝となるべく全てを敵に回し続けます。ロッキーの挙動は全てが大胆不敵で怖いもの知らず。撮影に負けず劣らず本人も狂気と外連味に溢れており、混沌としたカリスマに平伏します。こんなもん好きになるに決まっとるやろ!

そんなロッキーの前に立ちはだかったのが、金鉱オーナーの後継者にして武力で全てを支配するガルダ。インターバルを挟んでチャプター1後半は油を金に変えたマッドマックス風味。金鉱に忍び込んでガルダをぶっ殺し成り上がる…はずがここから風向きが変わっていきます。アンチヒーローが虐げられる民草のために戦うとき、真の王になるのです。ここからメインウェポンを採掘用のハンマーに変更するのも象徴的。余談だけどみんな大好き労働バーを回すやつもあるよ!現代劇なんだから流石に自動化してるだろいい加減にしろ!(タグつけたいのでアレの正式名称を誰か教えてください)

流石に登場人物が多すぎるとか、時系列がランダムに前後するとか、やや不親切な嫌いはあります。ヒゲのおっさんを複数見分けるのも難易度高め。ですがロッキーの活躍を見届ける分にはさして困りません。なんせ片っ端からボコボコにするからね!うるせえ今すぐ見ろ見ろ見ろ!
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