特売小説

1秒先の彼の特売小説のレビュー・感想・評価

1秒先の彼(2023年製作の映画)
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しみけんみたいな外見した彼が出とんな、と思って観てたら本人だった、な、なにを言っているのか分からねえと思うがまた人の好さが滲み出たみたいな、印象に残るほどのエピソードがある訳でもないのにこいつ絶対根はいい奴と思わせてくれる説得力のあったりなんかして、それを男性主人公から見て同居中の妹の彼氏という、ともすれば鬱陶しいお邪魔キャラポジに置いて以て捨て猫に傘をさすヤンキー効果を狙っていたりなんかして。

詰まりそんな具合に。

男性主人公にも女性主人公にも感情移入の出来るような、思い入れを持たされるような、或いはまた嫌悪感を持たれないような工夫や仕掛け、それこそ原作か、それを元とした台湾映画からの改変であるところの男女の入れ替えや清原果耶のキャスティングもきっとその一環、苦労の跡が窺える訳ですけれども。

やっぱ、バスタブになみなみ注がれた他人の小便にそれと知らされず浸かれと言われてるみたいに気色の悪いハナシですよこれ。

荒川良々がその荒川良々力で以てギリ成立させてるけど受け容れるなよそんな、他人が他人をいいように弄ぶのを看過するような申し入れ、お前の倫理観どうなってんだよ大人だろ、と。

彼女のそれは純粋で一途な気持ちじゃねえよ、激しい思い込みによる一方的な狂気だよ、そこに割り喰わせたみたいな取って付けたようなしっぺ返しでバランス取ったふうにしてるけども舐めんなよ、他者の自由意思を無視した上での蹂躙行為はどれだけの代償を支払ったって正当化出来ねえかんな。

やっぱどう頑張っても気持ちの悪さを払拭し難い擁護の難しい内容、どうしてリメイクしたのか謎の企画よね、と。
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