2023.02.18
中島裕翔主演作品。
こんな感じの邦画もなんだか久しぶりな気がしますね。
マンホールに落ちたからSNSで助けを呼ぼう!なシリアスめのパニック・コメディなのかと思いきや、なにやらミステリーも含んでいる感じ。
突き抜けた邦画は大体面白いのでぜひとも突き抜けて欲しい。
翌日に結婚を控えた川村は、会社の同僚に開かれた飲み会の帰り、謎の穴に転落してしまう。
夜遅くのため友人知人にかけても誰も出ない、警察にかけても酔っ払いと決めつけられ相手にもされない。
川村は、ペッカー(Twitter?)で女に成りすまし、助けを求める。
しかし渋谷で飲んでいたはずなのに北関東付近であることが判明するなど、救助は絶望的になってゆく。
助かるための鍵は、川村に隠された過去にあったー。
ハイ微妙!
久しぶりに来ましたよ気合いの入った“迷”作邦画。
ほとんど中島裕翔の演技だけのワンシチュエーション・パニックとしては特徴的だったものの、そのワンアイデアのみで、他に入り込んでくるノイズや、パニックものとして成立させるために必要な要素の大部分が不足していた印象です。
まずキャラクターや背景、設定が薄味にも程がありましたね。
結婚式の二次会的なノリでスマホの映像から始まるオープニングは良かったものの、川村が何の業種なのか、どんな考えをしていて何ができるのかの描写が不足していました。
川村自身の持ち物やスキルなどの現状がわからないため、警察に電話する選択肢が無かったり、逼迫した状況から周りに当たり散らしたりするなどのパニックに陥った人のあるあるをしたと思いきや、どこからともなく出てくるSNSを使うアイデアなど、観ている側に伝わるハラハラ感に繋がっていませんでした。
パニックものという認識で観るからには、緊迫感や没入感が必要不可欠なもので、今作では急に入るメロドラマや、脱出よりも犯人探しに走り出すサスペンス要素が、それらを出す邪魔をしていた気がします。
ストーリーの進み方や終盤の展開についても、どうしても他作品で見たような場面だけを借りてきている感じが強く、上述の通り設定が薄いのもあって面白さに繋がってなかったですね。
結局サイコに逃げたかーって感じ。
海外作品でよく見る似たジャンルだと、職業や舞台の強みを活かすものが多いと思っているので、川村の職業を活かせなくても、東京であることやSNSなどを使った救出劇などをもっと前面に押し出して欲しかったところ。
結局犯人はどの情報をなぜ引き出したかったのか、引き出すだけなら他の手段でも良かったり、最初の時点で死んでしまったりすることもあったのではないか。
SNS上の偽善者まがいの子供も出していたから、永山絢斗は無駄に殴られてしまったのでは……。
あと黒木華と奈緒の無駄遣いィ!