つい先日(2020年)に他界された大林宜彦監督が、2008年に重松清氏の小説を映画化したもの。
主人公の夫役をウッチャンナンチャンのナンチャンがとても自然に演じてます。
全体を通してどこか明るい構成になっているのですが、人の運命が常に明るいものではないことを静かに教えてくれる、なんだか悲しい物語でした。
生きていると必ずいつかは死や闘病と向き合わなければならないときがやってくるということ。
それが早くくるのか遅くくるのか、それぞれの運命次第なんだと考えさせられます。
この映画の脚本は「異人たちとの夏」の脚本を手掛けた市川森一さんが担当されているとのことで、「異人たちとの夏」に繋がっているような人間の温かさを感じた理由がわかりました。
筧利夫さん演じる佐藤俊治が、今は亡き今井雅之さんにおんぶされるシーンはとても切なく、心打たれます。
今井さん大好きな俳優さんでした。
ところどころで出てくる、ネガのような映像と、オーケストラ音楽にハミングやひとが口ずさむ歌を合わせている音楽がとても不思議な感覚にさせます。
わたしはとても好きな映画です。