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silence in TOKYOのRAPPAのレビュー・感想・評価

silence in TOKYO(2021年製作の映画)
1.0
撮られた経緯が最低最悪。

H ZETT Mと本田翼はこれに関わった事が一生残る汚点だ。


緊急事態宣言中の東京を「美しい」と思ってカメラを回したと語る監督モリカツヒコ。
休業を余儀なくされた街のシャッターの奥にどれだけの人が苦しんで多額の借金を抱え、失業、倒産、命を絶ってしまった人もいるという想像力のかけらもないのだろう。

「誰もいなくなった東京は儚くも美しい」だと?
よくもそんな事が言えるな。
一体どういう感性してるんだろうか。
ここに映ってる店舗すべてに謝罪しろ。

実際にコロナ期間、辛そうだった知り合いの店舗も映ってるが、こんな人に撮られたくないし利用されたくない。

作品の中身もまるでない。
緊急事態宣言中で人が少ないのをいい事にわざと終電間際や深夜を狙ってジンバル持って撮っているだけ。しかも人がいないか確認しながら撮っているからなのか、そっちに集中力持っていかれて揺れすぎ。ジンバルの扱いが下手すぎて観るに耐えない。

そして作中はずっと「ピアノの音色で美しい誰もいないレアな東京見てください!」「俺の映像オシャレでしょ?格好いいでしょ?」っていう気持ち悪さを感じる。

店が閉まっているのはフィクションではない。
現実に人が苦しんでいるんだ。

H ZETT Mと本田翼のファンの皆様は惑わされないでほしい。
この監督がどういう目でコロナ禍の街にカメラを向けているか、冷静に考えて欲しい。
あなたが好きな素晴らしい音楽家と女優はこの監督の勘違いの芸術による自己顕示欲に音楽と知名度を利用されている。


被災地やウクライナでもこの監督にとっては貴重な良いロケ地としか思わない感性なのかもしれない。
ゴーストタウンと銘打ってやましい気持ちでカメラ向けるのは許される行為ではない。

あと、
わざわざ人が映らない様に撮っているのも気になる。人がいなくなるのを待って映ったらNGにしている。やっている事がダサすぎる。ゴーストタウン感を悪く強調しているし、ヤラセと変わらない。


撮影や編集中、人がいたら邪魔だとか思ってませんでしたかね?
今人いない!チャンス!とか思いながら撮ってませんかね?
1000年後に残る映像と豪語しているコロナ禍の「ドキュメンタリー」がまさかそんな事してないですよね?


人がいない街がゴーストタウンみたいで美しいとしか、そんな目でしか撮ってないから作品の着地点がブレる。
朝になって人が歩いているシーンを希望に見立てているのもチープだ。演出の浅さが出ている。
夜の街の中にも戦っている人達がいて希望はあるはずだし、それを探し出し撮るのが一流の監督だ。

夜が明けて朝日が登りました。
だから何?

この監督が何年映像やっているのか知らないが、もう少し見せ方があるはずだ。

街から1人もいなくなるなんて事はないし、演出をしないとこの画はあり得ない。そんなフィクションだらけの作品を軽々しくドキュメンタリーと名乗らないで頂きたい。

1000年後も残る映像?
どこからそんな痛い勘違いが来るかわからないが、おこがましいのもいい加減にしろ。
報道カメラマンがとっくにちゃんとした映像を撮ってきている。
他の映像監督がなぜやってないのか少し考えたらわかる事だ。
いつ炎上してもおかしくない。


コロナ関連と真剣に向き合っているドキュメンタリー監督達の爪の垢を煎じて飲むといい。


そして最低最悪に大問題なのは、
「本映画は文化庁 ARTS for the future!(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)対象事業として制作された」って事だ。

休業で苦しんでる店舗を「美しい」と思う感性で撮影し、国から多額の支援金もらっている。


ここに映ってる店舗の皆様はこの映画の監督と制作会社に怒っていいと思う。
あなた達の払った税金が周りに回ってこの監督の金稼ぎに利用されてます。

「あなた達が店じまいしたおかげで珍しくて美しいロケーションで映画が撮れて多額の支援金ゲットできました」って事です。

緊急事態宣言のステイホーム呼びかけ中にノコノコ出歩いてそれを出汁に金を稼ぐ監督と、
かたや国からのルール守って休業し赤字や破産した経営者、失業した従業員達。

怒りの声をあげていいと思います。


以下ナタリーの監督インタビューから引用。
「自粛期間に感じた孤独感や不安など、あの時の空気感を思い出すきっかけになってくれたら嬉しいです。」

本当に何も信念が感じられないコメントだ。

思い出すきっかけになってくれたら嬉しい、か。
インタビューされる事に慣れていないのか、それらしく格好いい事を言おうとしてるんだけど本当に感性がズレている。

そりゃあなたは嬉しいだろう。
観てもらう事の承認欲求と多額の支援金も手に入ったんだからな。

でも自粛期間で失業して亡くなった人も沢山いる。
撮られた店舗の関係者はこの景色を美しいとも思わないし、思い出したくもないだろう。

画に映る深刻さをまるで理解していない軽々しい発言に呆れる。

本田翼とH ZETT Mにこの件についてどう思うか真剣に聞いてみたい。
2人のファンの中にも失業者や倒産した人はいるかもしれない。
こんな感性の監督の作品に2人が利用されたと知ったらどう思いますかね?


国際短編映画祭SSFF&ASIAももう少し選考を考えた方がいい。

「コロナ禍で誰もいない東京を堪能するチャンスです!是非ごらんください!」とか宣伝してるけど、監督と同じでモラルがおかしい。

堪能するチャンスです!じゃねーわ。

この作品を宣伝するのは世界に向けて日本の恥だ。

長くなりましたが最後に、
H ZETTO Mのファンの皆様、この作品における音楽自体は素晴らしいものだと思っています。

ですがもう一度言う。
この監督がどんな思考回路で撮ってるか深く考えてみてください。
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