ペコ

ヴィレッジのペコのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.7
とある田舎の集落で生きる人々の闇を描いた作品。環境問題、貧困、格差社会…閉鎖的な村で起きる嫉妬や憎悪。逃げたくても逃げられない。苦しくても吐き出せない。村八分。想像以上に救いが訪れないジメジメした空気感が漂う映画でした。幸せに生きたいと思っていても、自分が置かれた環境であったり、血縁関係のせいで、もがき苦しむ毎日。優の心はずっとあのゴミの山の中にあったのだろう。能面のように、喜怒哀楽を見せずに素顔を隠して生きていくことの辛さを感じました。“臭いものには蓋”という日本人ならではの考え方が全面に押し出されていた。全てが夢であればいいのにと思わずにはいられないほど、人間の嫌な部分が描かれていました。小さなコミュニティだからこそ、妙な連帯感や恨み妬みがあるもの。最後まで気持ちが沈みっぱなしでしたが、人間の弱い部分、卑怯な部分について考えさせられる作品でした。ただ、もう少し深い闇や衝撃の秘密が村に隠されていると思っていたので、そこはちょっと期待外れ。割と予想通りに話は進んでいった。お父さんのエピソードをもっと描いてくれたら感情移入できて良かったかも。
「ヤクザと家族」ほどのドキドキハラハラ感が無かったのが残念。でも観て損はありません。演技派の俳優陣が揃っていて見応えは十分です。横浜流星の演技すごく良かった!
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