昼飯で食ったうどんが戻ってきそうなぐらい重くて陰鬱だった……まぁそれは観る前から分かりきっていた事だとして、村という狭い狭いコロニーの中で排斥され、成り上がって、堕ちていく優の姿が刺さる（恐ろしいのは、日本の「社会全体が」こういった村のようになっていることなのかもしれない……）。
嘘つきは淘汰され、正直者は解放される。現実的に考えれば逆なのかもしれないが、それもまた今作のシニカル的な意味合いなのだろう。真の意味で村から解放されたのはあの告発した青年だけという。いやしかし、そう考えたら金髪の子可哀想やな……
上っ面では発展していく村、しかしその実は何にも成長しちゃいない。まさにあの能の言葉通りだ。更には主人公である優にも当てはまってしまうのだから尚更恐ろしい。「村=優」……ううむ、考えたくもない。
見てみたいかと聞かれれば断じてNOだが、もう少し村特有の陰鬱さを全面的に出しても良かったんじゃーないかと。それこそ不良集団からリンチされる優みたいな。多分それを見てしまった暁には、うどんが戻ってくる所の話じゃなくなると思うけれども。
兎も角、凄い映画でした。村にたちこめる霧のようにｽﾞｰｰｰｰｰﾝと来る感じ……実に良い。
