Mayashico

東京の宿のMayashicoのレビュー・感想・評価

東京の宿(1935年製作の映画)
5.0
傑作すぎる…!小津の現存サイレントのなかで一二を争うくらいに好き。(『その夜の妻』、『浮草物語』そして本作がサイレントでは3トップだと思います。)失業や飢え、貧困で医療費を賄えないことなど(あまりにも小津的だと言えば小津的なのだけど)湿っぽい物語になってしまいそうな主題なのにまったく嫌味が感じられないのは、まさしくカラッとした快晴を捉えた前半の野外ロケのおかげだと思う。快晴の空によく映えた白いシャツと濃い影のコントラストに目を奪われる。ほんとに全ショットキマってる。でも終盤では一転して物語のトーンの通りに画面が暗闇メインとなるのですこし陰鬱になってくるんだけど、ラスト出頭する喜八を捉えた画面3カットでは再び快晴が現れるのがなんとも素晴らしかった…。花火のショットと鱗雲(空)のショットあり。移動撮影での切り返しもあった。
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