しげのかいり

捨てうり勘兵衛のしげのかいりのレビュー・感想・評価

捨てうり勘兵衛(1958年製作の映画)
4.9
クロス・カッティングがうますぎる。小判の受け渡しで韻を踏むところから始まり長屋と悪代官、屋台と座敷といった形で綺麗なリズムを刻み、勘兵衛の素性が明るみになるサスペンスの音色は美しい。しかもラストでそれは勘兵衛の涙へと収束する。ひろいんが二役なのも勘兵衛の恋心の不穏さを醸し出しておりとても素晴らしい。映画とは何かと言われたら「これだ」というべきだろう。