しげのかいり

オッペンハイマーのしげのかいりのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3
老いることによって名声の代償である責任を果たすオッペンハイマーに対して、老いてなお閣僚という名誉に固執して化け物になるストローズを演じたロバート・ダウニー・Jrの怪演が光る。名誉欲を拗らせたオッペンハイマー青年は悶々とした大学時代を過ぎて社会的に成功し原爆を作ったことによって欲しかった「名誉」を手に入れるのだが、それが彼にとっての悲劇の始まりであった。語り口の拙さをフォローするための時系列シャッフルをどこまで評価するかで分かれるところだと思う。