デヒ

ウエスト・サイド物語のデヒのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.8
映画を観ながら撮影が面白いと思った。この映画はミュージカル映画であるため、多数の人物が出てきて、彼らの動きをカメラに収めることがとても重要だ。オープニングで青年たちの派閥争いの場面を見せているが、全体的にロング・ショットで見せており、人物の動線によってカメラも動いて1カットに複数の人物を繋げて登場させるのが面白かった。ミュージカルの特徴を活かした撮影方式だと思った。そして、全体的に下から上を見上げるように撮影する浮き彫り撮影が多かったが、これは人物の大胆さを見せると同時に、体全体の動きを見せるための撮影だと思った。 この他にも、マリアとトニーの2人だけのシーンでは、不必要な背景がぼやけるが、2人だけの夢のような空間演出が印象深かった。

映画の中の背景はアメリカだが、マリアと友達はプエルトリコ出身の移住民である。当時、移住民に対する差別があったため、両民族はお互いのことをそれほど喜ばなかった。それで映画の中で二つの派閥に分かれて問題を起こしたようだ。この映画を観ていると、2021年に公開された『イン·ザ·ハイツ』を思い出した。 その映画もプエトロリコ移住民たちを主人公にした映画だった。 しかし『ウエスト・サイド・ストーリー』の方が闘いをリアルに描いたという点、そして悲劇的な愛を描いたため、さらに時代がリアルに感じられた。『ロミオとジュリエット』も思い浮かんだ。
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