スマトラトラ

1640日の家族のスマトラトラのレビュー・感想・評価

1640日の家族(2021年製作の映画)
4.0
すごく、見てほしい映画だと思った。
少し前にチョコレートドーナツを見て、こちらは少し前のアメリカの子どもの養育とセクシャリティのお話だったけど、今回こちらはフランスの今の制度のお話。

子どもたちが3人と夫婦の5人家族。すごく楽しそうで、子どもたちがキラキラしていて、「これが幸せ家庭か」ってくらい素敵に描かれている。
でも、その中の1人は里子。それでも関係なく、家族は愛情を注ぎ、兄弟のように暮らしている。
そんななか、実父が里子を自分の元で育てたいと申し出てきて、お話が切なくなっていく。。

もうね、大人だけじゃなくてね、子どもの3人の演技がすごくてね、映画っていうより、ドキュメンタリー作品見てるみたいな気になってくるの。
里子の葛藤とか、兄弟2人の特に中のよかった弟の方の悲しさとかが目とか、身体全体から伝わってくる感じ。

この映画を見た後、里親制度についてちょっと調べてみたの。
養子縁組とは違うんだね。あくまで、親権は実親にあり、里親は養育費を負担してもらえる代わりに、子を手放さなければいけない時がくるかもしれないのだそう。 何度も、「里親はお仕事で、愛情を注ぎ過ぎないように」的な事をソーシャルワーカーさん?から注意を受けるんだけど、無理じゃない??って思ってしまった。だって、兄弟と愛情に差をつけるのって難しいよ。。。しかもそれで子どもには安心感とかを与える必要があるんだもん。。私には無理。子ども1人ならギリギリいけるかもしれないけど。。。

里親・里子・実親・里親の子ども この全員の気持ちをうまく納得させるのって難しいだろうなぁとすごく思った。特に子どもの気持ち。
実親の元に帰っていった子と、里親家庭の子たちの気持ちを考えたら切なくて、涙が止まらんかった。

いい映画でした。
里親と養子縁組の違いを知れたのは大きな学びになりました。