はる

手のはるのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
4.6
仕事をするのも、食べ物を口に運ぶのも、人の肌を愛おしく触るのも、欲に任せて誰かを汚すのも、料理をして、手紙を書いて、ギターを弾くのも、全部、手の仕業だ。それでいて、自分は何もしてないですよって他人事のように、無責任で白けた顔を、手はいつもしていると思う。

孤独って、愛したいけど何かの理由でそれを愛せないときに心に現れるものなのかもしれない。さわ子の孤独は父に起因するものだったんだろう。だけどそれを紛らわそうと男の人と関わってうやむやにして、でも家に帰るとすぐに原因は父だってわかって、辛かっただろうな。
孤独を作る、愛したい何か(自分とか他人とか)と向き合わなきゃどうにも解消されないんだ。

原作ナオコーラさんだよね。やっぱり、私は彼女の描く愛の形が大好きなのね。みんな人間らしくって愛おしい。満たされるんだもん。

寅井さんも森さんもいい顔してたな。
さわ子、絶対幸せになってね。てかあんたならなれるよ。
また観るね。
はる

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