Periko

遠いところのPerikoのネタバレレビュー・内容・結末

遠いところ(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

えげつないぐらいリアル
すごい。
この映画はとんでもない。

うちなーんちゅじゃない役者陣の方言や、生活感本当に違和感なかった。

中卒で子供持ち、未成年夫婦
自分の周りにもちらほらいたから身近でしかない。

題材は重すぎるし、救いがない内容だけど、これが本当に現実。

当日はトークショーもあり、主演の花瀬さんは初のトークショーだったそうだけど、すごく個性的で天然な感じ、話せば常に花瀬ワールドで面白い方だった。この人はこれから確実に成長して売れると思う。

台本無しで実施したそうだが、役作りが完璧だったせいか演技はピカイチ。オーディションの時も数日前にスカウトされたそうだったが、かなり良かったみたい。天才肌だと思う。


話の内容に戻ると、貧困の家系はそれが連鎖し、親の子供も夜職などにつき昼夜逆転の生活を送る。そしてその関係者も皆、昼から酒タバコ、だらだらと昼寝をして何をして生計を立てているのかわからない人たち。
対症療法もいいが、原因療法が求められることは誰しもがわかっているが、なかなか難しい沖縄の社会問題。
ラストは、児童養護施設から息子を夜奪い、そのまま海へ行き、首まで浸かり息子を持ち上げ笑って終わり。絶望。
そもそも、家庭環境最悪、彼氏は働かないDV野郎、祖母や実父からも見捨てられ、売春婦も始めるが全然性に合わず、でも生活が苦しいため嫌々続ける、親友が死去、息子は児童養護施設に奪われる、本当に救いようがない。

沖縄文化で育った人間からすると、本当にそっくりそのまますぎて、笑えもしない。けどそこまでリアルを追求できるのは、沖縄の監督作品でもあまり見たことがない。

この映画を見れて良かったし、沖縄出身で良かった。そして、みなさんのこれからに期待
Periko

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