ひがが

遠いところのひががのレビュー・感想・評価

遠いところ(2022年製作の映画)
3.8
前々からチラッと予告していて、絶対凹むだろうなって感じていたから観るのためらっていたけど、友達が観るタイミングに合わせて鑑賞。

沖縄の悪い所、濃縮還元映画。
17歳で2歳の子持ちの女の子の生活を描いている作品。
舞台が地元なもんで、観たことのある場所が沢山映っていて、凄く身近かつ現実的に感じた。

話はとにかく暗いし、救いがない。
登場人物はほぼ全員馬鹿ばかりで、行動にイライラする(ばあちゃんはまだマシか)。
DVする旦那と別れるでもなく、昼の仕事をするわけでもなく、息子をばあちゃんに預けるでもなく、なんか自立しているようで全然できていない感じがずっと「どうにかならんのか」って感じる。

でも、それが結構リアルで、多分実際にはそういう子が沢山いるんだろうな。大人になった今なら解決方法とか大人への頼り方が思いつくんだけど、中学卒業したばかりの女の子にはまだ世渡り方法が分からないはず。
なんかそこがむず痒いというか、ずっとモヤモヤする。

また、主役の女優さんの演技が上手。沖縄出身じゃないのに、喋り方がリアルな沖縄弁で違和感なく観れた。
また、子役の子が滅茶苦茶可愛くて、あぁこんな子いるなぁって感じた。
だからこそその子には不幸になってほしくないってずっと思っていたんだけど、まぁやっぱり辛い展開になるよねぇ。

なんか繰り返し観たい映画ではないんだけど、一度は観るべき映画だと思う。個人的に沖縄県は基地問題ばかり頑張っているけど、もっと重大な問題があるんじゃないかと思ってしまった。作中にもそういう事を暗に描いているシーンがあったし。

もちろん映画なので、かなり誇張しているし、ドラマチックに描いているけど、なんか久しぶりに色々考える映画でした。
もっと色んな人に観てほしいかな。
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