次期大統領候補のローリングス議員が遊説に向う為に乗り込んだ専用列車の真横に隕石が落下。中から現れたエイリアンが列車に潜り込む。嫌な予感と列車に元妻が乗っている事を知った地元警官ヴィックはヘリに乗って列車を追うが…というストーリー。
ルー・ダイアモンド・フィリップス主演のエイリアン物と鉄道パニックアクションを合わせた作品です。
ヘリから列車に飛び乗った主人公は元妻や乗客たちと協力してエイリアンと戦いますが、エイリアンだけじゃなく議員を人質にとった一人のテロリストや、機関士が殺されて暴走状態になった列車の前には核廃棄物を積んだ貨物列車が！という詰め込みまくってお腹いっぱいな設定も盛り込まれています。テロリストは最後の方まで箱の中に隠れてたり、核廃棄物積んだ貨物列車も台詞だけで映像としては出ずに最後の方スルーされちゃってる感じで、詰め込み過ぎた設定を活かしきれてない所はありますが…
ルーさん演じる主人公が列車に乗り込んでから白タンクトップになる所や元妻を助けに向う為という理由が大きい所とか「ダイ・ハード」意識してるのかな？元妻に色目使う嫌味な金持ちキャラも出てくるし。その他の登場人物も傲慢なカツラみたいな髪形の議員に、その友人で冷静で頼りがいある退役軍人のフィル、SPの黒人ピーターや客室係のサム等皆それなりにキャラ立ってたと思います。ヴィックとサム、フィルとピーターのコンビでエイリアンと戦ったり一緒に行動する所面白かったな。議員がお騒がせキャラとしてやらかしてくれるかと思ったら最初の方で退場したのはちょっと意外だった。代わりに嫌味な金持ちキャラが引っ掻き回してくれましたが。主人公と電話でやり取りする通信士のお姉さんも結構美人だった。
エイリアンはジャケットの様なげっ歯類の頭蓋骨みたいな頭部とサメのような鋭い牙をしたブサイクな造形で、犬やワニの様に四つん這いの体勢をして、小さい個体は後頭部が長い本家「エイリアン」やプテラノドンちょっと彷彿するデザインしてます。犠牲者の死体に卵産みつけてすぐ孵化してどんどん増えていく繁殖力と、酸性で相手を麻痺させる体液も「エイリアン」っぽい。目にもとまらぬ速さで動いて、メタンガス対何ある為か撃たれたり燃やされると爆発します。造形は安っぽいながらちょこまか動くエイリアンとの戦いはそれなりに楽しめました。犠牲者の食い散らかされた死体は結構グロいです。
この戦いの中で元妻とヨリ戻したり、嫌味な奴に待ち受ける最後、最後のタイムリミットサスペンスなどお約束満載だけど、意外と緊迫感ありますし、お約束だからこそ安心して見れる所もありますね。テロリストの最期は意外だったけど。
ラストの展開は「ゾンビ特急地獄行き」そっくりでしたね。オマージュかな？その後のオチもお約束な感じで好きですね。
列車やヘリを写したシーンが全部鉄道模型なのは安すぎて笑っちゃいましたが(笑)
B級アクションとしては最後まで安定して楽しめる作品でしたね。