せいけ

窓辺にてのせいけのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
5.0
個人的には今泉作品最高傑作
登場人物の年齢層や扱う題材が増えたことでこれまでより重層的な作品になった印象
好きという感情に加えて何かを手放すこと創作についてなどなど今泉監督本人の自己投影もしばしば感じられる作りに
そんな中でも中心に堂々と存在する稲垣吾郎の演技は圧巻
今泉監督の世界観にうっかり迷い込んできてしまったようないい意味での浮き具合をもたらしながらその持て余したスターオーラすらも受け入れる懐の深さと自然体でありながら緻密な脚本の素晴らしさ
そのほかにも様々な登場人物のエピソードを挿入し絡み合うことで淡々と進む物語の中にも興味の持続が生まれてくる
あれこの人もしかして?っていう偶然もまた作品の魅力を深めているような
143分とここ手の作品にしては長尺だけれども会話のいい意味での軽さと深みは両立されていて密度が濃いので全く飽きがこない
完全オリジナルということで次のステージに進んだ今泉力哉に最大の賛辞を送りたい