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窓辺にてのyambohのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.1
茂巳も高校生の留亜もことばを丁寧に選んで話している。そのときの感情を表現するのにいちばん近しい単語を探すとき、感情≒ことばであって、完全にイコールの表現を見つけるほうが稀なのかもしれない。話しているうちから感情は折り重なるので、浮かんだことばから離れたり近づいたり過去になったり。
玉城ティナさん、とてもいい。
『自分と同じように相手も感じるはずだ』と思い込むことも、『相手の、表現しないことに対する苛立ち』も、実はとてもエゴイスティックな強制なのかなと感じた。そうではない夫を責める妻。
個々の感情や意志はそれぞれなんだな。それを認めず、相手を思いどおりにしたがることが、諍いを生む。こうでなければいけない、ということに私たちは長年囚われ過ぎていないのだろうか。
テーマの中の『不倫』の文字を見て、どんな内容なのか最初気が進まなかったのだが、実はとてもいい映画だった。
17才。有坂。紗衣から見た茂巳。
何年か毎に観たら、その都度何かを得られるような気がする。
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