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窓辺にてのFのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
3.7
前から楽しみにしてたのはもちろん、”今泉監督の脚本監督”、信頼と実績の”東京国際映画祭観客賞”、”東京テアトル作品”ともうこんなの観なくても絶対好きなやつやんって思えちゃうくらいの最強の字面で、期待値高めのもとやっとのこと鑑賞。

なんかもう素晴らしいですねっていう2時間半、絶対的ミニシアター映画をシネコンで観てるのだけめちゃめちゃ変な感覚になるけど、今泉監督のBGMなしの長回しにはもう抗えない。脚本ないんじゃないの?ってくらい自然な会話は他人の家を覗き見してる感覚になるし、小説を読んだ後かのような満足感。流石すぎる。

全然違うはずなのにまともじゃないのは君も一緒っぽいなってずっと思ってた。いろんな人がいて、いろんな考え方あって、それを肯定も否定もせず淡々と描き続けるの好き。それぞれの優しさと脆さがあって、それが他人に良くも悪くも影響してるのをちゃんと描いてるのは本当に上手いなと思った。ここら辺の不倫論は、猫は逃げたと愛なのにを思い出した。まるで必要悪かのように描くのすごい。ただ、物語の芯となる深いところは正直分かりきれてない気もするし、これを完璧に共感できる、よく分かるって言うためにはもうちょっと人生経験が必要だなとも思った。


引くとこと、アップにするところの絶妙さは今泉監督作品観てるなってのをめちゃめちゃ感じて、冒頭シーンとか街の上でで撮影してましたよね?って感じだった。2人で話してるシーンで、話してる人だけを映すアングルで2人を交互に映すあの感じやっぱり好き。無音で2人の会話だけだからこそ間の絶妙さとかも際立ってた。これだから今泉監督作品はやめられない。

穂志もえか、あまりにもいいな。テレビの紹介コーナーのシーンめちゃめちゃ好き。中村ゆりさんも安定の良さ、一生歳を取らなさそう。若葉竜也はもう言わずもがななので、今泉監督作品全部出てください。

オシャな喫茶店に行ってパフェ食べて後悔もしたいけど、めちゃめちゃチーズケーキが食べたくなる映画
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