大好きな今泉力哉監督の新作（既に最新作ではなくなりましたが）ということで、劇場公開時からかなり期待値が高かった作品。でしたが、今泉作品の中では、思ったほどハマらずでした（フィルマでは今泉作品の中でも一番評価高いですが・・・）。
登場人物たちにあまり惹かれなかったのも理由の一つですが、一番大きかったのは、これまでの今泉作品に比べて、言葉で語るというか、やや説教臭く感じてしまったからかもしれません。
私が好きな今泉作品の自然な人間関係と日常風景の中に垣間見る、人と人の間に起こる微妙な摩擦に比べると、本作の主人公と女子高生小説家の関係性や2つの不倫劇は、どうも不自然に“作られた設定”感が強く、ちょっと個人的な好みとはズレがありました。
とはいえ、今泉作品らしい長回しシーンの会話には惹きつけられましたし、なんと言っても、自分で不倫をしながら白々しく人の不倫の相談にのる若葉竜也の演技が妙にツボり、見どころも多かった。あとは、吾郎ちゃんの演技も良かったと思います。
が、大好きな監督故にちょっと観る前の期待値が高くなり過ぎていたのかもしれません。はたして最新作の「アンダーカレント」はどう感じるでしょうか・・・
