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にわのすなば GARDEN SANDBOXのネットのレビュー・感想・評価

にわのすなば GARDEN SANDBOX(2022年製作の映画)
3.3
カワシママリノのとろんとした目がなんとも言えず不思議で、ぼんやりとしたこの映画を体現しているようでもある。それに対するように村上由規乃の確かな存在感が良い。
工場フェスの音楽がドープで好きなんだけど、ダンスに関しては気持ちいいという身体的な理由以前に、頭でシーンを挿入してるように見えてしまった。映画の中にダンスを入れればいいでしょ的な(作り手がそんな適当にダンスシーンを入れてるとは思えないが)。『不気味なものの肌に触れる』での緊張感や『汚れた血』のエモーションや『きみの鳥はうたえる』の気持ちよさとは無縁のダンスで、何をどう感じればいいのかわからず……これはダンスを見る経験が圧倒的に乏しい自分が悪いのかもしれない。
夜道を二人で歩くシーンに関しても、夜中に誰かと歩く「あの感じ」の追体験はできなかった。もちろん映画は追体験のためだけのメディアではないのだけど。なぜか『ラルジャン』のことを思い出す。終盤の襲撃シーンでは人を殺すときの「あの感じ」の追体験などできず、ただ映画を見る驚き・楽しさがある。これは映画の中のダンスにも言えて、ダンスを見ているとき「ダンスしてると気持ちいいですよね」ということ以外にも別種の感情を覚える。 この映画には感情の追体験もできず、見ることの快楽も感じられず。……要はあまりこの映画にノれていないということ。もう一回見たいかも。
監督は映画制作に限界を感じていた時に、赤坂太輔氏によるモンテイロ特集を見て映画制作の継続を決意したのだとか。いい加減モンテイロ見ねば〜
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