キヨ

ザ・メニューのキヨのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

「料理」から産まれ出でた妖怪こと「シェフ」による、楽しい最後の晩餐!!!!!この強制イベントの解除条件をさがせ!!!!!!鍵は、リストになかった飛び入り客だ!!!!!!みたいなかんじで、すごい面白かった。
笑えるシーンも多くて、わりとずっと笑ってた。

人生に一度食べられれば幸いというような、高価なレストランでのディナーに向かう12人。
みんなお金持ち。ただ主人公のマーゴだけはそんな人達とは少し雰囲気が違う様子。それもそのはず、料理の蘊蓄ばかり話す男タイラーが、一緒に行く予定だった女性が来れなくなったので代わりに呼んだのがマーゴだ。
さぁディナーの始まりだとなるが、なんだが雲行きが怪しい。パンののっていない空の皿が出されたり、各人の知られたくないことがプリントされたブリトーがでてきたり。極め付けは、「混乱」という料理名だ、といって料理人が自殺する。もうその場はまさに混乱。どうもこのままこの場にいる全員が、料理長の考えたメニューの一部として死んでいく筋書きのようだ。
どうすれば、「料理」にならずにすむのか解決策は見当たらないまま、コースはどんどん進んで行くのだった。

料理長の私怨が詰まりまくった招待客で、最高に面白かった。一番面白かったのが、落ちぶれた有名俳優のマネージャーしてる女性が、学資ローンを借りることなくブラウン大学を卒業した、という金持ちだから殺されるっていうのが、単純明快で笑えた。他にも、金持ち紳士が左手の薬指を叩き切られるんだけど、落ちた指輪を従業員が拾って奥さんに渡すんだけど、指を切り落とすのに加担した人間なのに、拾ってくれたからと、ありがとうっていうのが面白かった。いや、ありがとうじゃないでしょ。
あと、オチが良かった。金持ちのためじゃなくて、食事を求める誰かのために料理をしたいという料理長の気持ちに気づいた主人公が、料理長にお前のディナーはつまらん、私は満足しなかった、私のためにハンバーガーを作れって言って作らせて、食べ切れると思ったけど難しそうだから、持ち帰りに包んでくれない?って言って、持ち帰り用に包んでもらって、館から普通に出ていくのすごく良かった。条件さえ満たせば倒せる妖怪かよ!!!ってオチですごい良かった。

結構そんな感じで笑いどころいっぱいだし、ちょっとズレてるシェフのキャラも可愛いし、主人公がチャーミングなのはもちろん、他のキャラもみんなキャラ立ちしてて飽きない、ストーリー的にもキャラクター的にも、映像的にも面白い作品だった。

私みたいに、馬鹿げた視点で見ても面白いんだけど、富とか、格差とか、性差による問題とか、とか、とか…………そういう社会問題的な視点で見ても皮肉が効いてて面白い作品でした。公開したら、パンフレット買って、もう一回見に行きたい。
キヨ

キヨ