イチロヲ

生録 盗聴ビデオのイチロヲのレビュー・感想・評価

生録 盗聴ビデオ(1982年製作の映画)
3.5
出張の多い夫をもち不満足な性生活を強いられている夫人(風間舞子)が、行きずりの男により浮気現場をビデオ撮影されてしまう。落とし穴に嵌められた夫人のセックス暴走劇を描いている、日活ロマンポルノ。

家庭用ビデオテープの普及が急速に始まった頃の作品。たった1本のビデオテープが裏ルートで拡散されていき、不特定多数の人々に顔が知られて、日常が破綻させられてしまう。「ビデオテープの弊害」を問題提起しているような内容。

テープの拡散に合わせて、主人公夫人の周りに奇妙な出来事が起こり始める。とりわけ、大河内稔率いる謎のスワッピング組織が魅力満点であり、本能を解放させている人間たちの愉快な言動を楽しむことができる。

不穏な空気へと一転する感覚がとても面白く、ホラーとコメディの表裏性が機能している。主人公のサキュバス化と背後に潜む陰謀という、ロマンポルノの定石もまたポジティブに働いている。風間舞子の艶やかな女体美は言わずもがな。
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