ふじこ

イコライザー THE FINALのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

エージェントすごいつよい みたいな感じの作品の中で、イコライザーが一番好き。
1作目が完璧にわたし好みで余りにも格好良く、最初から最後までおもすれぇ~~~って思ったままで観終えられるやつだった。
2も良かった。本物のマッコールを知る唯一の友人だった女性が殺されてしまい、更に元仲間が犯人という悲しい話。

そして3は、相変わらず悪の組織を粉砕して旅をしている最中に背中を撃たれ、瀕死の状態で行き倒れている所を小さな町の住人に助けられるところから始まる。
みんながとてもフレンドリーで良い人ばかり、小さな町なので都会で生活していた時のようではなく、外に出れば必ず誰かと触れ合うような町。
そこで傷を癒やしながら、町の住人達とも溶け合って気に入ってきた一方で、この小さな町にも悪の手が迫る。

今作では今までのより露骨に一般市民が酷い目に遭わされていて、マフィアへの憎しみが募る。
冒頭、既にマッコールによって大多数のマフィアが死んでいるところから始まり、終盤もいつものように抹殺タイムなんだけれども過去作ほど派手なアクションではなくって、でも本作一番の見所な気がするただただ美しい街並みに合っていて不満点では全くなかった。
PR映像ではこの美しい町は流石に撮影慣れしているらしくって、住人800人のうちほとんどが映っているらしくて笑った。

昔に妻を亡くし、前作では唯一の友人を亡くし、それでも困っている誰かのために一人活動してきたマッコールの終の棲家が見知らぬ人にもあったかいこの美しい小さな町なんだったとしたら、それは良かったなぁと思う。
あの町をリゾートにしたいマフィアは 明日だ!明日町を焼きに行くぞ!と息巻くものの、その日の夜にマッコールによって無事壊滅させられる。1の時からマッコールはやると決めた仕事ははやいのだ。

そして、マッコールが直通の電話で直々に善意の市民として壊滅させたマフィアの居住地を通報した際に、どこでこの番号を知ったのかと問うCIA職員エマに、手帳で、黒い表紙の と答える。
黒い表紙の手帳、2で観たな…?と一瞬思ったものの、答え合わせは最後にしてくれる。
彼女の元に黒い手帳が届き、"お母さんも君を誇りに思っているよ RM"と書かれた付箋がついている。
それをパラパラと捲り、デスクに置かれた写真に目を移して少し微笑み、写真にはマッコールの友人スーザン夫婦とエマが写っている。
ここ中々感慨深くなるシーン。そうかスーザンには娘が居たんだなぁ~。そして同じような仕事をしているんだな。
そりゃマッコールも見守るよね。親友の忘れ形見だものね。

ラスト、サッカーの試合で勝ったらしき事を沢山の住人が青い旗や青い煙の発煙筒で喜びながら広間に集まってきたのを、いつものカフェから笑顔で見守っている。
そして自分も仲間に加わろうと立ち上がって近付いた時に、スプーンを忘れた事を店員さんに指摘される。
受け取って、喜びの輪に参加して終わり。
几帳面で神経質だったマッコールが、マイスプーンを忘れて席を立つ。
他所から来た大柄の黒人である男を、徐々に受け入れて暖かく接してくれる町の人達、マフィアのボスである男の弟は自分が殺した と名乗り出て広場に立った時に団結して追い返してくれた町の人達、そんな人達に"ついうっかり"してしまうまでにマッコールもまた心を許せるようになったのかなぁ って、これまた感慨深くなるシーンだった。

これで最後なのは寂しいけれど、マッコールの余生が一時でも穏やかだったら良いなぁと思う。
ふじこ

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