どぅぐ

GOのどぅぐのレビュー・感想・評価

GO(2001年製作の映画)
4.6
やっと見れた。パッチギに次いで、日韓関係を扱ってる映画なだけに、賛否は分かれると思うけど、俺はまじで素晴らしいと思った。
映画は、その時に作る意義があってこそ、初めて作られるべきだと俺は信じてる。
なにを作るのか。どうして作るのか。
今それが世の中に必要だからだ。
そうして生まれたものだけが、後世になっても色褪せない作品になる。必ず。
同じものは二度と生まれない。生まれようがない。時代は先に進んでしまって、後から掘り返しても、手遅れなのだ。なにより、大衆が時代遅れを受け入れないではないか。

2001年公開の『GO』
その翌年、日韓ワールドカップが開かれた。これは興行収入を狙ったという見方も出来るが、ここではそんな陳腐なビジネス話をしたいわけではない。
まさに国と国が過去と未来をもう一度考えて現代を直視していた20年前。だからこの作品は生まれたに違いない。行定監督、クドカン、すげーよ。勿論、原作の金城一紀、直木賞取るのも納得。
時代を切り取るということ。創作する側として、絶対にブレたくない視点。改めて感じた。

窪塚の出てる映画は、役をもはや通り越して、いつも窪塚にしか見えないけど、この映画はその現象起きなかった。そこも尚いい。

構成が好き。丁度いい。伝えたいことが一本通ってる。知的な脚本が散りばめられている。題名も素敵。疾走感。

終盤のセリフ
どうして何の疑問もなく俺の事在日なんて呼ぶんだよ
在日って呼ぶってことはな
俺がいつかこの国から出ていく他所もんだって言ってるようなもんなんだよ
それわかって言ってんのか

ここのシーンで、1回止めて色々考えさせられたね。受け取る側に影響を与えられる映画、すごい。ただのメロドラマじゃない。強い。題材が強すぎる。ロマンス、青春などという括りにされてるようだけど、それは一側面でしかないというのは、この映画を見た人ならわかる。

この映画と似たようなことをここ2、3年ずっと考えている。もし、この映画を違うタイミングで見ていたら、好きになっていなかったと思う。俺は日本国籍である。日本人で、日本を愛してやまないからこそ、日本の問題を見過ごせない質らしい。色んなことを浮き彫りにして、世の中に訴えかけたい。そう思った。
今年の4月から映画の世界に踏み込んでいくことが決まった。決まったからにはこだわりを持って進みたい。何が自分に出来るのか、自問自答していきたい。
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