milkshake

GOのmilkshakeのレビュー・感想・評価

GO(2001年製作の映画)
4.3
登場人物全員が愛おしい映画。
在日や国籍の問題がテーマではあるけど、あくまで1人の男の子の青春映画としてってまとまっているのが良かった。わたしが思っているより在日への差別意識は強かったんだろうし、今でもあるところにはあるんだろうな。
まっすぐな目で睨みつける主人公がかっこいいし、葛藤しながら大人になっていく姿も見ていて気持ちよかった。交換所でお父さんに向かってするだらしないピースが好き。
暴力でなんとかしようとする彼に父が戦い方を教えていくのは愛だなと思った。
女の子に対して、なんでだよ!って気持ちが初めは強かったけど、子にとって、特に若いうちは親の教育が嫌でも思想に強い影響を持たせるから、最終的な彼女の決断は勇気のいることだったと思う。
クルパーと呼ばれるほど馬鹿キャラだし、すぐに手が出るし、変な駆け引きできないし、ダラっとした話し方をするけど、いつも的を得た発言をする。
「名前ってなに?バラと呼んでいる花を別の意味で名前にしても美しい香りはそのまま」そこにマークをしているのはジョンイルの美しさが詰まっているなと思った。
普通はあんまり自分と趣味が違いそうって思うと勧めたりしないよね。でもジョンイルはクルパーにたくさんの落語やシェイクスピアを貸してた。大好きだったんだろうなぁ。
行定勲の演出もやっぱり好きだ。
milkshake

milkshake