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GOのjunのレビュー・感想・評価

GO(2001年製作の映画)
4.2
青春映画ですが「在日」というテイストが加わって、より深みがある作品でした。

青春映画らしい、若者特有の「アイデンティティ」がメインとなっていますが、また別の「在日韓国人のアイデンティティ」も盛り込まれており、複雑な描写になっています。
自分は何をすべきか、何が向いているのか、何者なのか、若者というだけでも複雑なのに、さらには在日であることから、自分の存在意義や居場所など、非常に非常に複雑な心情が描かれていました。敵か味方か、日本か在日か、これから時代を担う若者にそんなものを押し付ける大人達。そんな境界線は誰かが勝手に引いているだけで、それぞれには全く関係なくて、むしろ自分たちはそんなこと気にしてなくて。そういった環境の中で、それなりにもがいて、だけどそれなりに楽しんで。若者の目線からだとこんな感じなんだろなって思いました。無垢で真っ直ぐで、そういったものを思い出させてくれる映画でした。

最終的には「どうあるべきか」ハッキリとした描写はありませんが、つまりそういったことなんだと思います。言った通り「クエスチョン」であり続けて、一生それに向き合っていくことなんだと思います。


窪塚洋介はやっぱり素晴らしい。あの若さであの演技は天才です。
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