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パリは霧にぬれてのmat9215のレビュー・感想・評価

パリは霧にぬれて(1971年製作の映画)
3.0
セーヌ川を下る導入部が素晴らしい。紗のかかった映像で霧に烟るパリが水面から捉えられる。ちょっと三白眼のフェイ・ダナウェイが情緒不安定な主人公を演じてクロースアップ連続の大熱演。また、情緒不安定なダナウェイ以上に、息子の振る舞いや言動が無邪気というよりは不穏で怖い。衣服や小道具の黄色に加えて、鏡がこの作品のテーマ。右にダナウェイの不安げな顔、左にそれが映じる鏡。囚われた息子がちっちゃな拳銃から放った銃弾で大きな鏡が落ちて、そこから物語にかかった霧が晴れていく。不穏な振る舞いの息子はやっぱり怖い奴だった。
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