Shun

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界のShunのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』

本作からかどうか定かではありませんが、ディズニーのオープニングが100周年仕様になっていました✨

国のエネルギー資源の危機を前に、その原因を探る為に奇妙な世界に足を踏み入れるクレイド一家とその仲間たちの運命を描いたアドベンチャー映画。

この奇妙な世界(ストレンジ・ワールド)は一体何なのか?そこには”衝撃の真実”が隠されていた…。
と言った具合に、あっと驚くオチが用意されていることがやたらとアピールされている本作。

彼らが住んでいる世界が海上を移動する”巨大生物の背中”の上で、奇妙な世界の正体がその生物の体中であるという真実が明らかになった時に「そういうことだったのか!」と自然に驚くオチではあったのですが、既視感があったので、真新しさには欠けているのかなというのが正直なところです。

それでも、人間にとって貴重なエネルギー資源で生活にとっては欠かせない存在の「パンド」がその巨大生物の体を蝕む病原体であり、それを退治しようと体の中の奇妙な生物である抗体たちが主人公たちを攻撃してきたのだという理由がちゃんと筋が通っていてすごく面白い物語になっていると思いました。

また、伝説の冒険家である父親・イェーガー、そんな父親にコンプレックスを抱く息子・サーチャー、堅実な父よりも冒険家の祖父に憧れる孫・イーサンの三世代による親子関係がテーマとしても描かれていて、こんな親にはなりたくないと思って自分の道を歩んでも、自分がいざ親になった時に自分の価値観を子供に押し付けてしまっていたという事実を認識させられるサーチャーの成長物語としても良かったです。

マイノリティーのキャラクターも本作のポイント。
イーサンがオープンリー・ゲイで、さらっとロマンスが描かれており、サーチャーやイェーガーが自然に振る舞っているのが素敵。それと、前足に障害を持つレジェンドが飼い犬であることからも、マイノリティーを意識した作りになっているのかもしれません。

ストレンジ・ワールドで出会うスプラットは目も口もなく、言葉も交わさないけど感情が伝わってきて、めちゃくちゃ愛らしいキャラクターだと思いました。

この映画は、限りある資源を好き放題に使いまくる我々人間に対する皮肉が込められた、環境への配慮を促すためのSDGs映画だったというわけですね👍
Shun

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