ゆーみん

野いちごのゆーみんのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
2.8
頑固老人が不思議な夢を通じて改心していくおはなし


「生きる屍に見える」「死について考えながら生きている」何度も生と死について会話がなされていた。
気難しい性格が災いして婚約者は弟に心変わりし、結婚した妻とも幸せな生活を送る事ができなかった孤独な老人が、幾度も見る過去の夢を通じて慈悲の心と優しさを取り戻す。
他人に深く干渉せず、怒りもしないのは見せ掛けの優しさであり実は一番冷酷であると、3人の女性、婚約者、亡き妻、息子の嫁に言われている。
夢でありながら主観的ではなく、第三者の目線で客観的に過去を振り返る事でトラウマとなる出来事を直視し、孤独を受け入れることで一つづつ克服していく様が辛くも心温まる話になっている。