野いちごの作品情報・感想・評価

「野いちご」に投稿された感想・評価

町山智浩 映画無駄話より

初ベルイマン記念作品
なのだ 芸術作品に弱い私 に
理解できるのか懐疑的 果たして見終わった直後はレビューを書く手が止まる そもそも 町山さんの 作品世界を越える自分の世界を構築する力が足りない
町山さんと比較しようなんて浅はかな考えだった せいぜい序盤で 夢の中で出てくる後ろ姿の紳士の振り向いた顔が 気持ち悪いより 滑稽だなと思ったくらいで情けない
そこで 私を主人公のお爺さんに重ねて 残りの人生を『生きる』証を作るなんて子供のような感想に落ち着く
ベイルマン生誕100年祭
シュールな幕開けにゾクッとさせられる。
暗闇が押し寄せ
ふと不安に苛まれたり、遠い昔を懐かしんだり
ベットの中で物思いにふける夜。
皆あるんだね、、
可愛い爺ちゃまの姿に老いてゆくのも悪くないと思った。
弾丸映画観戦日帰りツアー、イングルマン ベルイマンでシメ(笑)

冒頭からやってくれますねー!
村上春樹が、「人の夢の話を聞かされるほど退屈な事はない」って言ってたけど。

いきなり夢の話から始まるんだけど、村上春樹の言う一般的な夢ではなく、老人が老いや死を近くして考える事、というか感じる事を「夢」って形で表現している、これこそシュール レアリズム!シュールって言葉はよく使うけど、シュールでリアルって感じたのは初めてかも。

夢の中では老いに関する様々な事が起きる。ホラー映画みたいな恐怖、狂気が描かれてるんだけど。中には笑っちゃうのもあって。俺、二回ほど声出して笑っちゃったなー。
そして、全体的にハッピーな雰囲気なんだよね。そこ、見事だよね。

1957年制作のこの映画、交わされる会話、考え、現代にもそのまんま通じる鋭いものが多くて、感嘆するばかり。

なんで今まで観なかったんだろ?
なんで誰も強く勧めてくれなかったの?笑

でね、「処女の泉」が10時30分。
この映画、18時30分。
客が全くおんなじ!
座ってる席もおんなじ!笑

みんな、その間どうしてたんだろ?
それぞれの休日を満喫してたんでしょう。

そして、上映後、つるっ禿げ紳士がずーっと店員さんと話してんのも一緒!笑
でも今回は、俺も店員さんに用事あったから、しばらく聞いてたんだけど、どうやら知識をひけらかしたいだけみたい(笑)
店員さんも、ちょっと困ってるみたいだったし(笑)

この映画の中のセリフ、「人の話を聞こうとせず、自分の事ばかり話したがるエゴイスト」そのまんま。
あなた、つるっ禿げ紳士から、「紳士」は取り除かせていただきます(笑)
シュルレアリスムについて。

超現実主義。マグリットやダリの絵画が有名で、これは結構好き。映画では、ブニュエルが代表的。あとはデヴィッド・リンチとかもなのかな。
難解という印象がつきまとうのは当然のこと。夢とか幻想とか現実を飛び越えた世界で、合理性の欠如した物事を描いているから、理屈で理解しようとしても出来るはずがない。そして、不安や恐怖などネガティヴな潜在意識(深層心理)を表現したものが多いので暗い印象を受けてしまう。
じゃあなんでわざわざそんなことをしているのかとなる。アートだからと言ってしまえばそれまでだけど。実はその答えがこの作品でわかりやすく示されているんじゃないかと思った。厳密に言えば、シュルレアリスムには当てはまらない作品だとは思うけど、その要素は多く取り入れられてる。

超現実の世界に触れることによって、本当のというか見落としていたり気付いていなかったりするだけの、“現実”を見つけ出そうとしているのではないかと思う。この映画の主人公は老いによって、孤独を感じ、死を予感している。冒頭の語りや、悪夢のシーンでそれらが描写されている。その夢の映像表現がまた独特の世界観で凄いのだけれど。そこから車に乗って旅に出て、いろんな人との出会いもありながら、人生を回顧していく。ここはロードムービーの形式。そして、孤独だと思っていたのは実は自分の内面だけのことで、結局は人とのつながりの中から心安らぐ場所へとたどり着く。現実の中にある救済。これは美しい。心が温まり、ジーンとくる。

人生を旅になぞらえたロードムービーの要素と、超現実の深層心理を描いたシュルレアリスムの要素とが融合して、全体が完成してる。
なんて老獪で、イヤらしい芸術なんでしょう。

それとこの映像。陰影が本当に、本当に美しすぎる。まさしく動く写真。光の加減なんだろうなー。
No.318
姪がグンネル・リンドブロムとか羨ましいわ。ラッパ型補聴器のおじさんになりたい人生だった。
shiro

shiroの感想・評価

3.6
ベイルマン生誕100年祭らしいですね。
気になったので、ベイルマン作品を初めて見ました。
気難しいと自認している博士のロードムービー。
思い立って、昔暮らした町や、子供の頃過ごした家や、年老いた母を訪ねながらのドライブ旅。

車には息子のお嫁さんや、出会った若者、仲の悪い夫婦などの同乗者がいて、会話が毒があって面白い。
博士が見る夢もシュールで、ものすごく反省を促される。
夢の中でかつての恋人や妻から、面白くないとか冷たいとか言われてしまって可哀想だなぁ。

色々意味がありそうだけど、わからないところはわからないままで。
時間が合えば、映画館で他の作品も見たい。
ベイルマン作品、初鑑賞。シンプルで時間も程良い。

「また会おう」と若者が行った後に言うとことラストもいい。
もっと年取ってからいつかひょっこりと観る時間が来るかも。
Yuta

Yutaの感想・評価

4.1
世間に認められる仕事をやってきたが、気難しくてなかなか周りの人間に心を開くことのできなかった老人のロードムービー。色々と考えさせらせた。

このレビューはネタバレを含みます

[死ぬ前にようやく自分を振り返る]

 何度かになるけれども、なかなか素晴らしかった。

 主人公のイサク(ヴィクトル・シューストレム)の最初に見る夢が、自分の死体だったり、針の無い時計だったりするので、自分の“死”がテーマになっている。

 しかも、イサクは、医学博士として、表彰されるのに、家庭では皆に疎まれ、息子は死にたがっているし、息子の嫁からは、エゴイストと言われる。

 そういう自分に気づいて行くからこそ、自分の唯一の拠り所であろう、幼い頃の家庭の思い出や、恋人のサーラ(ビビ・アンデショーン)のことや、彼女を弟に奪われた傷にも触れていくことが出来たのだろう。

 幼い頃の家族の思い出は、「ファニーとアレクサンデル」を彷彿とさせられほっとする。主役のヴィクトル・シューストレムはいいとして、脇を固めるイングリッド・チューリンもビビ・アンデショーンもさすがに上手い。

 そして、この偏屈な78歳の老人が、死を意識した所で、ようやく自分の近しい人たちに目を向けていくようになった所で映画は終わる。医学の貢献とは全く別に、自分の死を意識したからこそ、大切なものが分かったのだろう。(2018.8.28)
Miho

Mihoの感想・評価

3.8
ある老人の心象風景と追憶
深刻そうな顔をして人生以外と恵まれてたりする
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