信長と濃姫のお互いが反発しあいながらも、最後はお互いが良き理解者みたいな素敵な壮大なラブロマンス映画だった。今川軍との桶狭間の戦い、比叡山延暦寺の焼き討ち事件、長篠の戦い、本能寺の変など、歴史に沿って見せ、音楽も脚本も役者も映像も揃ってて良かった。先日「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観たばかりなので、音楽にも気遣ってたらモリコーネ風の重厚な素敵な音楽に聴こえた。この音楽が映画を余計にスケール感ある素敵な映画にしていた。また「キサラギ」「ALWAYS三丁目の夕日」「鈴木先生」「リーガルハイ」を書いた古田良太さんの脚本だからこそ、こんなにセリフが光っているんだなあと思った。そしてキムタクがうまかった。キムタクの演技はまともに観たことがなかったけど、信長の尾張の大うつけぶりが存分に発揮されてた。そして綾瀬はるかちゃん演じる濃姫が、信長に負けてないくらいぶっ飛んでて負けん気強くていいキャラだった。二人の反発しあいながらも惹かれている様が、こんな夫婦もありだなと思わせた。明智光秀役の宮沢氷魚くん。この配役はとっても新鮮。また徳川家康役の斎藤工さんって、もうエンドロール観ながらびっくりした。まるで別人。もう一度じっくり顔を観たいくらい。
総製作費が20億円とのこと。画像も素晴らしかった。城の中の屏風が豪華絢爛。岐阜城、安土城の外観（戦や葬式）楽市楽座、床一杯の赤い蝋燭のある教会内など美しく印象的な映像も多かった。本能寺の変で信長が死に際に最後に観た夢～濃姫がかつて口にしてた南蛮への旅。事実を覆して実はポルトガルに生き延びたという話になるのかと思ったけど、そうではなかった。こういう別の人生を歩ませてあげたい気持ちになり、ちょっとウルっとした。
