このレビューはネタバレを含みます
【女優魂】
近年「女優」という表現がジェンダー格差を想起させるからと「俳優」に言い換える傾向にある。とはいえ、男優に対しての女優という意味で、ここでは使います。
先日読んだ川本三郎さんも「女優」という表現を使い続けてる。「旧世代のことと、お許し願いたい。」とあとがきに記しつつ。そんなに気を使わなくても、と思うけど。
とにかく、「The Butterfly & Legend」と改題してもいいくらいの両作における、圧巻の女優の存在感でした!
近所のカフェの常連さんが「観たけど、つまんなくて、途中でやめた!桶狭間もやらないんだもん」と。まぁ、大コケしてるのは知ってるので、そういう意見もやむ無しか。彼との話のネタにと思いアマプラで観てみた。
上記の通りLegendとButterflyの前後を入れ替えたいくらい、濃姫を演じた綾瀬はるかが見事だった。最初の絡みのシーンからして、単なるアイドル上がりの大根役者と大河女優の格の違いを見せつける演技で主役を圧倒していた。
でも、実は情けない男だったという信長の設定にはキムタクの配役は合っていたかもしれない。大人になり切れないガキ大将は、素のままで演じられるだろから。
本作をこれまでの戦国時代劇として見ると、その知人のように合戦シーンがないので「つまんない」になると思う。これは、濃姫と信長のラブロマンスと割り切ればよし。そして、ダメ旦那を影で支える男勝りのお姫様のお話として観るべし。
いっそのことお伽話として、本能寺の変の渦中に信長が見た幻視のまま終わってもいいくらい。それくらい歴史物、時代物とは別と捉えるべき作品。劇場に観にいかなくて良かった(笑)