このレビューはネタバレを含みます
【除雪!】
たまには、こんなおバカな作品も観たくなります。リーアム・ニーソンとローラ・ダーンのSW俳優が出てるし、それ観るだけでも仮にハズしてもいいかなと。
ので、ごちゃごちゃレビューするのも無粋ってことで、いわゆるバイオレンスなブラック・コメディを楽しんで、スカッとすればオケ。
”全員、除雪”といったキャッチ―な惹句も良し。
”壮絶な全くかみあわない戦いが始まる”
そう、なんでこの蒸し暑い季節に雪国の話なの?とハナっから、かみあってない、ってところからギャグは既に始まっている。
とっとと笑った者勝ち!
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(ネタバレ、含む。つか、備忘)
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おっと、笑った者勝ち!ってのが究極ネタバレだったか? シリアスなバイオレンスものと思って誰もが観はじめるけど(事前情報なければね)、どこかで、あれ?これギャグ?と気づくはず。誰かと一緒に鑑賞しに行ったら、どっちが先に声を出して笑えたか、そこが勝負?!
私の違和感は、遺体安置所だった。どう見ても、あの間は変だもの!(笑) ←まだ声出して笑うほどではなかった。
単なるバイオレンスじゃないコメディではあったけど、ネイティブ・アメリカンを絡めてきたのが意外。ちょびっと『Wind River』風味(そちらにも出てたジュリア・ジョーンズがギャングのボスの元妻役で出てる)。
居留地=Indian reservation と、ホテルの予約=reservationを掛けたやりとりが面白かった。
もう先住民グループが混じってくるあたりからはギャグ要素が満載になってくるから安心。
息子を麻薬組織に殺された父親が復習を誓う。”全員、除雪だ!”の決め台詞が、除雪作業員という職業に因んでいて楽しい。が、リーアムは”I gonna kill his guys”と言ってそう(たぶん)。 それを、”除雪だ!”とした邦訳字幕がイイネ。字幕、誰だっけ? 大御所戸田奈津子さんじゃなかったのは確か(先日、『Green Book』で久しぶりに見たかな)。
ついでに言うと、原題”Cold Pursuit"(冷たい追跡)より、邦題の”スノーロワイヤル”のほうが、おバカなコメディ感が出ていて秀逸。日本語翻訳班に拍手!
”除雪”が行われる度に、十字架(ユダヤ教の人はダビデの星)と名前の字幕が出るのも笑える(ようになる)。
エンドロールも、In order of disappearance(消えた順)という、過去にないもの。order of appearance(登場順)ってのはたまにある、その逆をいったものでしょうが、そこにも諧謔精神。 で、除雪された雪のように名前の文字が白く粉々になって消えて行くという手の込んだもの。
復讐に走る夫を残し家を出ていく妻役ローラ・ダーンの名前もあったから死んだ(殺された)順ではないよね。そうそう、息子カイルは、リーアム・ニーソンの実の息子マイケル・リチャードソンだφ(..)(メモメモ)。
ま、そんな小ネタ、アクションネタ、デンバーの大自然を大スクリーンで楽しみながら、悪趣味承知で殺人シーンをワクワクしながら観ればよし。
タランティーノかぶれ?というか、恐らく大いに感化されているだろうノルウェー出身のハンス・ペテルモランド監督の自作リメイク作品を堪能した梅雨寒の夜。