inu

追想のinuのレビュー・感想・評価

追想(1975年製作の映画)
3.7
ナチに家族を惨殺された男が、仇をぶっ殺す復讐劇。ナチスぶっ殺しという点では、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』と通ずる(実際タランティーノもこの映画を着想元にしているらしい)。戦争映画のなかで、ごく個人的な「復讐」にフォーカスしている映画は珍しい。邦題が「追想」とつけられているだけあって、目の前で起こっていること(現在)と家族との美しい思い出(過去)を行き来する。実際、人は過去のことを思いながら現在の行動を選んでいるところがあるので、観客は主人公の追体験をすることになる。内容はごくシンプルなのに間延びして感じないし、後半はハラハラさせられる一般的な戦争映画の様相を呈しているのが面白かった。最後のシーンも良いし、使われているテーマ曲がすごく良い。
inu

inu