追想の作品情報・感想・評価

追想1975年製作の映画)

THE OLD GUN

上映日:2017年09月09日

製作国:

上映時間:101分

ジャンル:

3.8

あらすじ

1944年、ドイツ兵たちによる陰湿なパルチザン狩りが続く占領下フランスの小都市モントーバンで、外科医のジュリアンは、美しい妻クララ、一人娘のフロランスと3人で幸せな家庭生活を送っていた。ジュリアンは妻と娘を田舎へと疎開させるが、後日、疎開先を訪ねた彼はドイツ兵たちに惨殺された家族の無残な姿を目にすることになる。復讐を誓い、古いショットガンひとつで一人また一人とドイツ兵たちを殺害していく彼の脳裏に…

1944年、ドイツ兵たちによる陰湿なパルチザン狩りが続く占領下フランスの小都市モントーバンで、外科医のジュリアンは、美しい妻クララ、一人娘のフロランスと3人で幸せな家庭生活を送っていた。ジュリアンは妻と娘を田舎へと疎開させるが、後日、疎開先を訪ねた彼はドイツ兵たちに惨殺された家族の無残な姿を目にすることになる。復讐を誓い、古いショットガンひとつで一人また一人とドイツ兵たちを殺害していく彼の脳裏に、家族と過ごした甘く幸福な日々の記憶が次々と去来する……。

「追想」に投稿された感想・評価

1944年5月。
ナチスは連合軍の上陸作戦を控えて、レジスタンスの掃討作戦を始める。
南仏の街モントーバンの病院にも、負傷したレジスタンスが担ぎこまれてくる。彼らを匿おうとする外科医ジュリアンは、ナチスのブラックリストに載ってしまう。
自分はともかく妻クララと一人娘のフロランスに厄災がふりかからないように、ジュリアンは自分の故郷にある古城に疎開させる。
やがて連合軍がノルマンディに上陸したことを知ったジュリアンは不吉な予感ともに妻子のもとにかけつける。
村には誰も居らず、教会を覗くとそこには村中の人間の死体が山積みになっていた。ここで彼は心の中の何がが弾けてしまう。「神とは名ばかりか!」との心の叫びと共に、教会のキリスト像やマリア像をなぎ倒していく。
ジュリアンは古城に急ぐ。
城は既にナチスに接収されており、娘は庭で、銃殺され妻は火炎放射器で焼かれ炭化していた。火を手で遮るような格好で壁際にはりついた妻の死体を見て、温厚なジュリアンは完全にブチ切れ、フツフツと湧き上がる怒りから復讐することを誓う。普段は温厚な人物がある境界を越えることで、狂気にかられるというシチュエーションは、ペキンパーの「わらの犬」にも通じるだろう。
地の利では断然有利なジュリアンは、隠し扉や隠し部屋などを伝いながら、ひとりひとり、兵隊をライフル銃(原題は古い猟銃)て仕留めていく。この辺は哀愁漂うダイハードだ。
ジュリアンは己の所業に恐れおののくが、その度に幸せだった頃の家庭生活を思い浮かべて自らを鼓舞しつつライフル銃を握り直す。
「追想がジュリアンの怒りのエンジンにガソリンを注ぐのだ。」と、監督のロベールアンリコは言う。
最後に残った将校は多数のレジスタンスに囲まれていると思い込み、もはやこれまでと鏡の前で自決しようとする。
ところが、鏡の裏はマジックミラーになっており、火炎放射器を抱えたジュリアンがその様を窺っていた。
自殺なんかさせない。妻と同じ目にあわせてやる、と、突然鏡に映った将校の顔がグニャリと歪み、鏡が溶けた所から猛烈な火炎が噴き出して、将校は火だるまになる。

全てが、終わってレジスタンス達が駆けつけ、ジュリアンはその中にいる友人に惚けたように語りかける。
「家に帰ろう。妻が夕飯を作って待ってるから」

この映画はのどかな田舎の風景をバックに、幸福そうに並木道を自転車で並走する親子のシーンで始まり、追想として同じシーンで終わる。
妻と娘を失い、復讐を全て終えてしまったジュリアンは、一番幸せだった頃のこのシーンの中に閉じ込められたまま、この世界でしか生きられないのかも知れない。


当初、ジュリアン役はリノバンチェラが、演じる予定だったらしい。しかしフィリップノワレのいかにも善良そうな佇まいのほうが、感情が復讐に転化したときのコントラストは大きい。
映写機に写しだされるジュリアンと妻子の幸せな映像のシーンが悲しかった

ジュリアンにとって幸せな日々は「追想」することでしか手に入れられないのだと最後の幸せそうに3人並んで自転車に乗ってるシーンを見て思った。
妻子を火炎放射器でぶっ殺されてブチ切れた親父が、たった一人でドイツ軍を相手に復讐を仕掛ける。
小林

小林の感想・評価

3.7
フィリップノワレが、惨殺された妻子の復讐のためにドイツ兵にいろいろ仕掛けるのが、ダイハードやホームアローン的に楽しかった
回想のシーンで記憶を辿っていくところにドラマがあるくらいで、アクション映画と言いたくなるほど、淡々としている
久しぶりのヨーロピアンヴィスタ作品。
本邦初公開当時はフィルム上映で、アスペクト比は劇場によってバラバラなんて時代でしたから、アメリカンヴィスタで見せられてたんじゃないかな?
当時の大劇場北野だったかスカラ座だったか?
どちらで見たんだっけな(ФωФ)?

まだガキんちょだったんで、大好きな「冒険者たち」のロベール・アンリコの監督作だと知ったのは少し後のことでした。
当時としてはなかなかのヴァイオレンスシーンに驚き、はらはらの連続でした。

今回あらためて見直しても、変わらないおもしろさでした。
当時はまだ知らなかった、ナチスに加担しているフランス人民兵にも触れられてたんですね。
あの黒い制服嫌ですね!
obao

obaoの感想・評価

3.7
@シネマート心斎橋
予告や今回のポスタービジュアルから、てっきりクラシカルなラブロマンスだと思い込んでいたが、『ダイ・ハード』的なアクションが始まってびっくり!そして、これが『イングロリアス・バスターズ』の元ネタらしいと後で聞き…でも、『イングロリアス・バスターズ』は観たけどまったく覚えていないので、へぇ〜としか。

大戦中であるが幸せそうなフランス人一家。ナチスドイツの侵攻による危険から妻と娘を疎開させた医師だったが、疎開先でドイツ軍にふたりが虐殺されてしまう。そこから男の復讐がはじまった。…が、頭を過ぎるのは美しい思い出ばかり。

その美しい思い出と、復讐する男のパートのアンバランス感がなんだかおかしくて、楽しい。見かけは冴えない中年男がブルース・ウィリスさながらの戦闘をする、ヒーロー的な映画に、思い出を追想するシーンが差し込まれてゆく。

思っていたものとは違いましたが、面白かった。
しかし…何ともやり過ぎ感は否めなかったです。
小一郎

小一郎の感想・評価

4.2
日本では1976年に公開された作品のデジタルリマスター版リバイバル公開。妻と娘をドイツ兵に惨殺されたフランス人外科医が1人で復讐する物語。リバイバルするだけあって、なるほど面白い。

1944年、ナチス占領下にあるフランスの小都市、外科医は妻と娘を疎開させるが、ドイツ軍の一部隊が疎開先の田舎で略奪行為を働き村民を殺害、外科医の妻子も巻き込まれる。古城で休んでいるドイツ兵を、外科医がたった1人で、しかも古いショットガン1つで殺害していく。

復讐の舞台の古城は外科医の所有で、抜け道や隠し部屋に精通しているというところがミソ。武力の圧倒的劣勢を地の利と知力でカバーし、不可能を可能にしていくハラハラ感が上手く演出されている。

冒頭、外科医家族が3人で正面からこちら側へ自転車で楽しそうに向かってくるシーンから始まる。妻のクララが、笑顔が素敵な超美人なことがこの時点でわかるのだけれど、復讐を実行している最中に新しい方からさかのぼるようにして追っていく彼女がまた美しくかつ可愛いから、そりゃ恨み晴らしたくなるわな、と共感してしまう。

これはクララを演じたロミー・シュナイダーあってなのだろうなあ。ググってみるとアイドル的な人気だったようだけれど、初めて見たオジサンでも外科医が羨ましくなっちゃうくらいだから、当時は凄い人気だったのだろう。

恨みは晴らしても、クララと娘がいない現実は変わらず、虚しさが残るラストは、人を理不尽な不幸に陥れる戦争を題材にした映画の必然ですな。愛と暴力の中に反戦のメッセージを込めた映画かな。

●物語(50%×4.0):2.00
・1人で復讐させる舞台設定がグッド。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・ロミー・シュナイダー、いいわ~。古城もステキ。

●画、音、音楽(20%×4.0):0.80
・クララ、美しく撮れている気が…。バイオレンスシーンもなかなかな迫力。
ごっ

ごっの感想・評価

4.0
自分は一番好きな映画は「冒険者たち」。同じ監督(ロベール・アンリコ)、同じ音楽(フランソワ・ドルーベ)の「追想」は未見なので気になっていた。今日、東京でのリバイバル最終日に間に合って良かった。

やはり凄まじい作品であった。

火炎放射のシーンでは沖縄戦を思い出したりもした..
kentaro

kentaroの感想・評価

-
冒頭の自転車のシーンにこの映画のすべてが詰まっている。

何をしても何かを思い出す。

「興味があるの?わたしのことに」
炒飯

炒飯の感想・評価

3.3
業火に焼かれた復讐の瞳と、思い出に浸る哀愁の瞳が交差する時、その瞳の揺らぎがただ美しい。
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