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金の国 水の国のmoeriのレビュー・感想・評価

金の国 水の国(2023年製作の映画)
3.3
寛容さとは最大の勇気。

優しくて芯のしっかりしたサーラとナランバヤルのピュアラブストーリー。
だけでなく、敵対する国同士の国家存続と歩み寄りというスケールの大きな背景もあったりする。

原作が大好きという友人がとても楽しみにしていたので、鑑賞してみました。

ファンタジー世界の話なので、もう少しストーリーや設定に深みやディテールが欲しくなってしまいました。
原作に忠実に分かりにくいところはうまく補足されていると思いますが、忠実すぎて映像ならではの描き方が活かしきれなかった感じも。
美術面は素晴らしいです!アルハミト国の建物には青いモザイクタイルの壁や天井があるのですが、それが本当に美しくて感動しました。

集客のハードルがあるのは分かりますが、メイン二人をどうして声優さんにしなかったのか…。賀来賢人さんも浜辺美波さんも上手いのですが、やっぱりメインのキャラが魅せるべき心の揺れ動きを声で表現するところまでは行っていなくて、イマイチ共感や没入できなかったです。

優しくていいお話なので、子供にも安心して見せられそう。音楽もEVAN CALLさんですし、丁寧に作られたいい作品です。

国のトップが寛容という勇気を持てば、政治と人々の暮らしが大きく変わる。私たちはそれを忘れてはならないし、トップにそれを要求し続けるべきだな、と感じました。
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