HitomiAizawa

女経(じょきょう)のHitomiAizawaのレビュー・感想・評価

女経(じょきょう)(1960年製作の映画)
4.5

柳原良平さんの仕事による可愛らしいタイトルシークエンスが最高で、これがオープニングではなく最後に流れる処に粋を感じる。

そして若尾文子の耳を噛みたがる女 増村保造
山本富士子の物を高く売りつける女 市川崑
京マチ子の恋を忘れていた女 吉村公三郎

と豪華なオムニバスは同時代の時代のフランスやイタリア映画に劣らない、日本人として嬉しい傑作だ🥰

船越さんの赤いセーターと山本富士子さんのセリフ「私くらい美人でなきゃ」のセリフも良かったが..

私の好きなのは若尾文子さんの回。
貧しいながらも美貌を武器に男を操り金を巻き上げる....

金の亡者と言っても差し支えなかろう若尾文子さん定番のキャラクターなのだが、今回は最後に年下の男の子に世話を焼く姐御的優しさが垣間見れた事が嬉しい。

男たちの耳を噛みその気にさせて、その腕からスルリと抜ける若尾文子さんだが本命の彼には弱い。粋で切ないラストが素晴らしかったし、キャバレー仲間から‘憎まれっ子’な存在の彼女の唯一の友、左幸子がクールで凄くかっこ良かったです。
HitomiAizawa

HitomiAizawa