テーマは悪くない。
だけど、主人公が誰なのかはっきりしなかったと思う。
物語当初はアカネが主人公かと思っていた。ティザービジュアルのコピーもアカネの物語かのように受け取れる。
しかし物語はアカネの父の話がメインだったと思うし、そこに関わるカオルの話であったと思う。
映画は神の視点とよく言われるけど、あまりに俯瞰して見すぎてしまって話がぼやけてしまったのがマイナスのはじめの点。
魅力を感じるアカネを掘り下げるだけでよかったと思う。
次にアカネの物語を邪魔したアカネの父だけどまるで共感できない人物だった。
身勝手な犯行理由、名を変えて逃げる人生、アカネに起こったことを被害者遺族に謝罪するでもなし、自分が加害者であることも謝罪するでもなし、自分の長男が苦しい時に女に逃げようとする。
本当に何一つ理解できない。
アカネも苦しんだかのように見えて3年後には笑顔。
家族同然の従業員と言えど娘が被害にあったのに普通にそこにいるのを赦したり、警察に身元を引き取りにいったり(そして過去の事件を知り、娘のことよりそっちのことのほうで許せないとなること)
鬼畜のいじめ行為をあっさりと白状する少女
もうよくわからないキャラクターたちになってしまった。
最後はなんだか許してくれみたいな父親。
本当に全く理解できない。
アカネの話にフォーカスをしっかり当てて、父親のエピソードは削り、カオルのエピソードは残してそれぞれの苦悩を出せばよかったと思う。
白状した少女のことはタレコミというタナボタじゃなくて、カオルが記者として調べていく上で浮かんできた、それをカオルが説得するという形のほうがよかったんじゃないだろうか。
大事件が重なっているのにものすごく岡田家族にとってご都合レベルの着地なのだ。