た

スマイルのたのネタバレレビュー・内容・結末

スマイル(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

私の思う面白いホラー映画は、見終わった後にその場から動けなくなって、呼吸をするのにも緊張感が生まれて、今すぐTikTokで可愛い猫の動画を見ないと頭がどうにかなっちゃいそうなそういう映画なんだけど、これはまさにそれ。面白かった。

ジャンプスケアがとても多いから、人によっては苦手だと思う。でもグロはそこまで多くない。グロいのがダメな私でも見れて助かる。

今からきっと何かが起きるんだろうなと分かっていても、やっぱりびっくりするし怖い。でもそれがいい。それを体験したくてホラー映画を見ているわけだから。
この全身が粟立つ感じ。心臓がキュッてなって、体温がグンと下がったみたいで、手に力が入らなくなって、思わず逃げ出したくなる感じがホラーファンはみんな好きなんだと思う。

笑顔は元々は威嚇のサインだから本能的に恐怖を覚えるってよく言うけど、やっぱりそうなのかな。
笑顔って余裕がないと作れないから、笑っているだけでなんだか主導権を握られた気分になるし、本来であれば危険で不穏な状況なのに、それにそぐわない表情だから何を考えているのか分からなくて怖いっていうのもあるよね。多分。

最後、クリーチャーの正体がハッキリと目に見えるのはあんまりハマらなかった。恐怖っていうのは理解ができないから恐怖なんだと思っているから、ちょっと解釈違いだった。ITを見た時も同じ気持ちになったのを思い出した。不気味な存在が実態を持つ必要はない。
お母さんの姿をした「何か」が巨大化するところは良かった。
主人公の姉の姿をした「何か」が車に近づいてきたところと、最後のですよねって感じの絶望シーンも良い。あそこで助かっていたら残念だったから。

最後のロリポップはなんだろう。
明るすぎて逆に怖いエンディングって大好きだから全然いいんだけど。

ラストまで緊張感が駆け抜けて、終わっても余韻で体が硬直していてとても良かった。
た