精神科医のローズが初診の患者をカウンセリングしていると、患者は発狂し張り付いたような笑顔のまま自殺してしまう。
その日からローズにもあの患者が言っていた笑顔の幻覚が見えるようになる。
自殺を目撃したトラウマが原因かと疑うが、精神病では説明のつかない事が徐々に起きてくる…。
ホラーは腐るほど見てきたが新たな、そして実に怖い恐怖表現を見た。
霊や怪物などではない、ただの人間の口角だけ上がった張り付いた笑顔。
邪悪さと無機質さが非常に恐ろしい。
特殊効果もなく怖さを表現できる素晴らしいアイデア。
ストーリー自体はよくある「日常で主人公だけが呪い的な物に悩まされるが誰からも信じてもらえなくて孤立してく」系のホラー。
驚かせる手法としては洋ホラーらしくジャンプスケアが多めだが中々にルール無用で面白い。
明確な敵が笑顔ぐらいしか提示されていないので何やってもええやろ的なテンションで無茶苦茶してくる。
特に好きなのは姉の家から帰るシーンのジャンプスケア。
絶対来ると分かっているシーンなのに絶対に想像できない攻め方をしてくるのが最高。
ここだけでも見る価値がある。
この手のホラーにしてはきちんと怪異の理屈やルールが説明されるのもいい点。
まぁ主人公の取った対処法がどう考えても間違ってるやろってことをし出すのは悪い点だが。
ラストに怪物っぽい物も出てくるがここまでの雰囲気が最高だったのでちょっと蛇足感は拭えなかった。
造形も微妙だしそういう攻め方じゃないから良かった部分があると思う。
まさしくトラウマになるようなスマイル。
まぶたの裏に張り付くような笑顔が忘れられない。
