カズミチ

Dr.コトー診療所のカズミチのネタバレレビュー・内容・結末

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

まず、俳優陣は、皆さん好演でした
演技については、個人的にはとても良かったと思っていますし、文句つけるところはないと言って良い
ですが、脚本がいただけない
この映画は、これにつきます
本当にもったいない
俳優陣が良い演技をしていただけに、脚本が良ければ、絶対に良い映画になっていただろうに…

この映画の焦点は何だったのかが、まったくわからなくなる結末なので納得いかなすぎます
離島医療に対する問題点を提起するのは、良い観点です
だから、途中までは良い映画になるかもと思ってました
それにドラマの後日譚という形で、ドラマの時の出演者がたくさん出てくれてますので、良いなと思ってたんです
Dr.コトーが倒れたり、台風災害で患者が殺到するまでは…

あの展開なんなんですかね、ほんと
研修医の提案するトリアージを拒否して、Dr.コトーは、精神論で僕は皆を助けるんだと叫ぶ?
病気で倒れるまで酷使している自己犠牲の塊の医者が、病気で気絶して再度倒れているにも関わらず、もっと頑張れと、立ってくれと励ます?
それで、手術をこなす?
問題点を提起したにも関わらず、結局は自己犠牲の精神の押し付けに終始するだけ?
そして、Dr.コトーが死んだかのような描写からの、何も解決されてないにも関わらず、あの結末のハッピーエンド風はなんなのか?
訳分からんです
矛盾があり過ぎ

途中までの流れと、結末が繋がらなすぎて、ツッコミどころ満載なんですよね
まず、研修医は、Dr.コトーの病気が発覚した際、離島医療の問題点、現実を叫んでいました
Dr.コトーの自己犠牲精神に感動したのか知りませんが、ラストではあれだけ離島医療の体制を批判していた離島の医師になっています
はい?って感じです
Dr.コトーほど優秀な医師でも病気になるほどの、大変な姿を見ている研修医が、批判していた離島医療に従事しつづけることを決意したのか?
全然結びつきません

あとラストでは、タケヒロ君は再び医師を目指しているような描写がありますが、トラウマは?
人が死ぬような場面で何もできずにいたタケヒロ君は、台風災害の時に、研修医が諦めた、終末医療を受けていたおじいさんを、心臓マッサージを再度したことで、息を吹きかえさせれて助けたという体験をしただけでトラウマを克服したんですかね?
そもそも、終末医療を受けている末期患者が、15分以上心臓マッサージを受けていて、途中途切れてて、電気ショックや薬剤投与もしてないのに、あんな息吹き返しますか普通?
あり得ないでしょう
あと、タケヒロ君のトラウマ浅すぎませんかね?
Dr.コトーがタケヒロに言っていた「医者じゃないから助けられなかったと思うなら医者にならなくてよかったね。」という言葉の重みが軽くなった
どれだけの思いで、Dr.コトーが、タケヒロ君にあの言葉を言ったのか
この言葉は、タケヒロ君に、君は医者を目指すべきじゃない、医者に向いていない、と暗に言っているとも取れるものです
うーん、やっぱり浅く感じる、タケヒロ君

極めつけは、白血病ですぐ治療をしないと命に関わるというほどで、台風災害時に身体的にも辛いオペをこなし、その中で吐血か鼻血をしたあと、再度意識を無くすほどの容態が悪いDr.コトーが、死んだかのような描写から、結末では、志木那島の診療所で自分の子供(しかも2歳になる前くらい)がよちよち歩きをしてくるのを抱きかかえています
つまり、星野さんが出産して2年も経っていないということ
は?
急性骨髄性白血病って、そんなすぐ治るものですか?
あのDr.コトーが死んだかのような描写から、どうやって回復できるんですかね?
緊急処置は誰がやった?
台風でヘリも飛べないし、本土に救急搬送することもできなかったはず
骨髄移植がすぐ受けれるはずもないでしょう
助かるのか?
いやいや、絶対無理でしょう
んで、志木那島で離島医療に従事している?
あり得ない
結局は、病気にまでなった医者を離島医療に繋ぎ止め、離島医療の本質的な問題点は棚上げ
自己犠牲精神は尊いでしょうで終わり

問題点を提起するだけして全部放り投げ、棚上げ、なんて杜撰で、無責任な脚本なのか
どうなれば、あんな結末になり得るのか
ワケがわかりません
本当になんであんな脚本になったのだろう
ドラマシリーズは、良い脚本だったのに
同じ脚本家の方とは思えない
本当に残念です
俳優陣には、責任はないですが、スコアは下げざるを得ませんでした
申し訳ありません
カズミチ

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