マイロード

Dr.コトー診療所のマイロードのレビュー・感想・評価

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)
2.2
シリーズ最終章にして満を辞してか離島医療の現実をつきつけた。20年続いたコトーの幻想を打ち砕いた一作。
映画だけ見てたらこういうものかな、と思うかもしれないけど、ドラマシリーズから見てきた人ほど腹立つ内容になっているのが残念だった。


↓以下、この映画が好きな方はやめといた方がいいです。


・毎回台風で大変な被害に遭っとるのに毎度毎度なぜ早めに避難せず大怪我する人が多発すんのか、そしてなぜ勝手に家に帰るのか。
・ごった返して呼吸してない人もいる中で「私の順番まだですか」て医者に何回も聞くて…意識あって喋れてるんなら待っとけて。
・そんで医者ぶっ倒れても誰も近寄らん。え?そして倒れてる耳元で「俺は諦めねーぞ!」て精神論ぶちかまされてこっちが倒れるかと思ったやん
・「コトー先生じゃないならいいや」て帰る老人!一生来んでええ
・誰が言うても薬飲まん老人!もう勝手に死んでくれてええけど非常時に一番迷惑かけるの何事?

そんなこんなで島民がほんとに無理すぎて、島の過疎化とか若者離れとか結構あんたらのせいやろとしか思わねぇ。唯一ド正論言ってくれる新参者(医者)の髙橋海人がいなかったら途中で見るのやめてた。

たけひろにかけるコトー先生の言葉とか、1人の医者の善意におんぶにだっこの離島医療の問題点とか、途中のメッセージはいいとこ突いてて良かったのに落としどころがめちゃくちゃだなという印象。ほんとめちゃくちゃだった。これはさすがにいつもの中島みゆきで締めるのも無理がある。 20年の最後これって嘘でしょ。

この作品の唯一の収穫は髙橋海人。普段バラエティでニヘラニヘラしている姿しかあまり印象がなかったのだが、「だが、情熱はある」の若林役で結構見直し、今作でお芝居のセンスが抜群に良いんだと確信した。長年で出来上がった現場に入りづらかっただろうに、よく出てくれた。
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