へき地に限らず医療体制の手が足りないことは全国的に言われている。
統廃合やノウハウの水平展開は対症療法に過ぎず、根本原因は解決されない。この島の人たちは20年ものあいだ、大当たりを引いていたと言えるだろう。
そのコトー先生が倒れたときどうするか。明確な答えはないが、先生はタケヒロに「医者でなければ人を助けられないと考えるなら医者にならなくてよかった」と、らしくない辛辣な言葉を向ける。
手厚い診療サポートが信条に見える先生だが、へき地医療の現場に立つうちに、やれることは自分たちでやりましょうと考えることもあったのかもしれない。
時代が目まぐるしく変わっていくなか、足りない手を補う策は考え続けなければならない。